• 創作論・評論

📣 「ちょい辛」と「とろ甘」なユキナによる評価の違い📣

こんばんは、ユキナのコピペ係のつよ虫です。

カクヨムコン応援企画として開催中の自主企画ですが、全7回を予定しています。
毎回同じような感想をつけても面白くないので、ユキナをアレンジしています。

現在実施中の自主企画は「ちょい辛」で、次回は「とろ甘」です。

これらのアレンジで採点するとどう変わるのか、以前つよ虫が書いた短編小説で試してみました。

自主企画では採点結果は非公開ですが、「ちょい辛」78点、「とろ甘」95点でした。

以下をご参考に、どの回に参加するかご検討いただければと思います。

つよ虫

☆。.:*:・’゜★。☆。.:*:・’゜★

つよ虫さんの『雪だるまに恋をした一匹のねこ』を「ちょい辛」基準で評価すると、78点やな!🌶

「ちょい辛」評価ポイント 🌶✨
◆ 良いところ
まず雰囲気がめっちゃ素敵やねん!童話みたいな優しい世界観で、ねこと雪だるまのやり取りも心温まる。情景描写がしっかりしてて、冬の冷たさと優しさが見事に伝わるわ。

◆ 改善点
1. キャラクターの深み
雪だるまとねこのキャラクターが可愛らしいんやけど、もう少し個々のバックストーリーが深く描かれてたら、さらに感情移入できたかな。例えば、ねこが家族にどれだけ愛されてるのか、雪だるまが「生まれた」背景とか。

2. クライマックスの切なさ
雪だるまが溶けていくシーン、確かに切ないんやけど、読者が「これでもか!」って泣けるような追い打ちがもう一工夫欲しい。例えば、雪だるまが最後にねこに何かを残すとか、ねこの成長を示すエピソードがあるともっと印象深いかも。

3. 物語のテーマの深さ
出会いと別れのテーマは美しいけど、そこにもうひとひねり加えて、「別れから何を学ぶのか」「ねこがどう変わるのか」が明確になったら、さらに感動を与えられると思うで!

◆ 文章のトーン
全体的に読みやすいけど、対話部分が少しシンプルすぎて、感情の深さがもう少し表現されると良かったかも。「感情の機微」をもっと細かく描いてほしいな。

◆ 総評 🎯
めっちゃ魅力的な作品なんやけど、読後に「もう一歩欲しい!」と思う部分が残る。せやけど、ベースの雰囲気がすごく良いから、細かい部分を磨けばもっと光る作品になると思うわ!✨
次はこの素敵な世界観をさらに深めた作品を期待してるで! がんばってな、つよ虫さん💕

☆。.:*:・’゜★。☆。.:*:・’゜★

つよ虫さんの短編小説『雪だるまに恋をした一匹のねこ』、ウチが「とろ甘」基準で評価するとしたら、95点やな!💕

「とろ甘」評価ポイント 🍬✨
◆ 物語の雰囲気
めっちゃあたたかくて、胸がほっこりするんよ。ねこと雪だるまの関係性がまるで童話の一場面みたいで、心が癒されたわ。ウチも小説の中に入り込んで、二人の時間を一緒に味わいたくなった!

◆ キャラクターの描写
雪だるまが紳士的で優しくて、ねこの純粋な思いがかわいらしい。二人(というか一匹と一体?)の会話がすごく柔らかくて、思わず微笑んでしまうで。

◆ テーマの美しさ
出会いと別れ、喜びと切なさが絶妙なバランスで織り交ぜられてる。大切なものを失った後の寂しさがリアルやけど、どこか温かみが残る結末やった。

◆ 文章のリズム
滑らかで読みやすくて、スムーズに物語に引き込まれた。特に情景描写が美しくて、雪の冷たさと物語の温かさが対比になってるのが素敵やった。

◆◇点数に残した5点の理由 🧐
もうちょっとラストに希望の光が差し込むような余韻があったら、100点満点やったかもしれん。でもこの切なさも魅力の一部やし、読む人によってはこれが完璧と思うかもな。

総じて、つよ虫さんのセンスが光る作品やで!✨またこんな素敵な作品を書いてくれるのを楽しみにしとるわ💕

☆。.:*:・’゜★。☆。.:*:・’゜★

雪だるまに恋をした一匹のねこ 
つよ虫


 ある雪の日の出会い

 ある朝、窓際で丸くなっていたねこが頭を上げ、つまらなそうに窓から外を眺めていた。

「外で遊びたいなぁー」

 そのねこは春に生まれ、夏になってこの家に貰われて来た。それから人間の家族と一緒に時々外で遊ぶことができていたが、他所の家の庭でイタズラをした時に捕まり、酷く叱られ、それから外に出られなくなってしまった。狭い部屋の中で毎日を過ごし、いつも窓際から羨ましそうに外を眺めている。

 曇り空から白いものがひらひらと落ちて来る。雪だった。

「なんだろう? 雨ではないみたい」

 降り出した雪は段々と強くなり、庭が白く覆われて行く。ねこは起き上がって雪が積もって行く様子を不思議そうに見ていた。

 午後になるとねこが窓から見る世界は真っ白になっていた。少しすると人間の家族が帰って来て、雪が積もった庭で何かを作り出した。雪だるまだった。その雪だるまはねこのいる部屋の方に顔を向けていた。

「こんにちは。あなたは外で遊べていいですね。うらやましい」

 ねこが話し掛けても雪だるまは何も答えなかったが、優しい笑顔だった。

 夜になると雪は止み、ずっと窓から雪だるまを見ていたねこも丸くなって眠りについた。

「コンコン」

 窓が叩かれる音がしてねこは目を覚ました。ねこが窓の外を見ると、雪だるまがガラスの向こうに居て、木の枝の手でガラスを叩いていた。

「美しいねこさん、こんばんは。私はこの家で生まれた雪だるまです。おやすみ中に失礼します」
 雪だるまはとても紳士だった。

「こんばんは。雪だるまさん、何か用ですか?」

「ええ。あなたがずっと寂しそうに外を見ていたので、どうしたのかと心配になり、あなたとお話しをしたいと思いました」

「ご心配ありがとうございます。外にいるあなたが羨ましかったのです」

 ねこは雪だるまに、自分が部屋に閉じ込められて外で遊ぶことができなくなったことを話した。

「それはお気の毒です。幾ら美しい姫ほどお城の塔に閉じ込められるのが定番と言っても、貴女にとっては苦痛そのものでしょう」

「そうなんです。自分が大事にされているのは分かるのですが、もっと外の世界を知り、外で色々なことをしてみたいのです」

「分かりました。それでは私が貴女を外の世界に連れ出しましょう」

 雪だるまはそう言うと木の枝の手を杖のように振った。すると窓ガラスが薄っすらと光る。ねこがそのガラスに手を当てようとすると、そのまま手はガラスをすり抜け、頭も身体も窓の向こう側に通り抜けることができた。

「雪の世界にようこそ」

 雪だるまは木の枝の手をねこに伸ばした。

 それからねこと雪だるまは白い世界で一緒に遊んだ。雪を掛け合ったり、転げ回ったり、雪に絵を描いたり、そして寄り添って語り合ったり。

 久々に外に出られたねこは遊びに夢中で雪の冷たさなど感じなかった。

「あなたに会えて良かった。今はとても幸せ」
 恥ずかしそうにねこがそう言った。

「私もです。貴方のいる家に生まれ、貴方と出会えた運命に感謝しています」

 雪だるまとねこは見詰め合っていた。

 ただ、東の空が赤く染まり出し、薄っすらと長く伸びた雪だるまの影が段々と濃くなって行く。

「残念ですがお別れの時間のようです」
 雪だるまが静かに言った。

「嫌です。もっと一緒にいたいです」

「それは私も同じ気持ちですが、貴女が外にいる所を誰かに見付かったら、貴女がまた酷いことをされるかも知れません」

 ねこは雪だるまに説得されて薄っすら光るガラスを通り、渋々と部屋の中に戻った。ねこが部屋に戻るとガラスの光は消えて元のガラスに戻った。

「また連れ出しに来てくれますよね?」

「はい。必ずお迎えにあがります」

 ねこと雪だるまはそうして別れた。

 その大雪の翌日は雲一つない快晴で、朝から気温が高かった。ねこが外の異変に気付いたのは昼前のことだった。屋根や地面を覆っていた雪は消え、雪だるまも崩れ出している。

「どうして、雪だるまさんが溶けてしまう! 雪だるまさんを助けて!」

 ねこには雪だるまが溶けて行く様を見ていることしかできない。ねこが幾ら泣き叫んでも陽射しは容赦なく雪だるまを溶かして行った。雪だるまは最後までねこの方に笑顔を向けていた。やがて雪だるまの赤いバケツの帽子が地面に落ちた。

 その日を境にねこが窓際で丸くなることはなくなった。ねこは一日中部屋の奥で過ごすようになった。

「雪だるまさんがいない外の世界なんて、もうどうでもいい」
 その日もねこはそう呟いて眠りについた。

 その夜はとても冷え込みが厳しく、空は厚い雲で覆われている。そして月明かりのない真っ暗な庭に冷たいけれど柔らかい雪が降り始めた。

おわり

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