人造乙女の決闘遊戯・人名及び用語集(ネタバレ無し)

◆主要登場人物

・レオン【本名: レオン・ランゲ・マルブランシュ 二十四歳】
貧民街の孤児院に診療所を構え、医師として働く錬成技師。父親は天才との呼び声も高い高名な錬成技師であり、その血を受け継いだレオンもまた、非常に優秀な錬成技師である。ただし、父親の錬成技術に対する取り組み方や、姿勢を嫌悪しており、親子間には深い断絶がある。学生の頃に、オートマータ及び義肢の神経、血管に関する、画期的な錬成法を発見、特許を取得している。『グランギニョール』でオートマータを戦わせる事に忌避感を覚えており、初めて錬成した人造乙女「アーデルツ」を非戦闘用として完成させている。後に「アーデルツ」を、貴族である友人のシャルルに預け、危険な決闘遊戯『グランギニョール』から遠ざけようとした。

・シャルル【本名: シャルル・ニコラ・マール・ダミアン男爵 二十六歳】
特別区画に居を構える新興貴族。財界人であった父親が人脈と財を利用して皇帝より爵位を賜り、その領地と領地管理の職を継ぐ形で男爵となった。レオンとは錬成機関院付属の学習院で知り合い友人となる。レオンより二つ年上だが、飛び級で進学したレオンと、対等の立場で付き合っている。『衆光会』という労働者の地位向上と児童福祉、庶民生活の安定を目指す政治団体に所属しており、領民や庶民には慕われているが、社交界での評判は非常に悪い。レオンより人造乙女「アーデルツ」の後見人を頼まれ、請け負う。

・カトリーヌ【本名: カトリーヌ・ルルス・フロー 十八歳】
グランマリー教会・在俗区派閥が運営する貧民街の孤児院『ヤドリギ園』で働く、若きシスター。孤児院にて診療所を運営するレオンの助手を務めており、物静かで子供達の面倒見も良いレオンに、好意を寄せている。艶やかな褐色の肌をしており、ガラリアの植民地である南方都市・マウラータ出身。しかし幼少時、マウラータで内戦に巻き込まれ、家と家族を失っている。孤児として彷徨っていたところを、グランマリー教会のシスターに救われ、ガラリア・イーサへ移住。その後グランマリーのシスターに憧れ、勉学に励み自身もシスターとなった。

・ベネックス所長【本名:エリザベート・ピナリス・ベネックス 年齢不詳】
特別区画で『ベネックス創薬科学研究所』という研究機関を運営する女性錬成技師。レオンが子供だった頃から親しく接していた人物であり、色々とレオンの世話を焼いていた。オートマータを錬成する『ピグマリオン』では無いが、様々な錬成素材を独自のルートで仕入れ、それらの加工、開発、管理を行っており、主に薬科学の分野に於いて多大な成果を納め、『アデプト(達士)』との呼び声も高く、錬成機関院より『準騎士』の称号を与えられている。肌の色こそカトリーヌと違うが、彼女も南方植民都市の出身者である。

・ラークン伯【本名:ジャン・ゲヌキス・ポンセ・ラークン伯爵 六〇歳】
広大なゲヌキス領を保有する、神聖帝国ガラリアでも屈指の大貴族。商才もあり、陸運事業や鉄道事業にも参画している。ただ、非常に狡猾で攻撃的な性格をしており、敵対する貴族や企業などには、容赦の無い圧力を掛ける事で知られている。一方で、ゲヌキス領内に暮らす領民からの評判は悪くない。強力な人造乙女『ナヴゥル』を所有し、『グランギニョール』に於いて、その実力が認められている。丸々と肥え太った姿をしている。

・ヤドリギ園・園長【シスター・ララ】
落ち着いた老シスターで、孤児院『ヤドリギ園』の長。心優しく穏やかであり、シスター・カトリーヌやレオンの良き理解者。グランマリー教会・在俗区派閥に属しており、貧民街の住民からも慕われている。

・ヤドリギ園・副園長【シスター・ダニエマ】
岩の如き硬い意志で園長の補佐を務める『ヤドリギ園』の副長。自他共に厳しく、子供達の無法な振舞いを許さない。シスター・カトリーヌに対しても厳しく接しており、基本的に渋面、必要な時以外は声を発する事もない。グランマリー教会・在俗区派閥に属している。

・ヨハン(本名:ヨハン・ユーゴ・モルティエ 三十四歳)
錬成技師互助会『シュミット商会』の代表を務め、『革命児』『アデプト・マルセルの再来』とも呼ばれる非常に優秀な錬成技師。当時、不安定かつ低品質だった『電信』『電話』システムに、生物学的アプローチを以て独自の改良を加え、驚くべき技術革新をもたらした事で有名。高性能なオートマータ『人造乙女・グレナディ』の所有者でもある。

・ルイス卿
貧民街にほど近い『ヤドリギ園』周辺の土地を所有する貴族。代々続く名門貴族だが世情に疎く、金銭的にルーズな面もあり、台所事情の悪化も噂されている。庶民の間では篤志家として知られ、『衆光会』への参加と金銭援助等を行っている。

・マルセル【本名:マルセル・ランゲ・マルブランシュ 五十五歳】
神聖帝国ガラリア最高の錬成技師であり、天才の名を欲しいままにする高名な『アデプト(達士)・ピグマリオン』。ガラリア最強の個体である人造乙女『オランジュ』の製作者。レオンの父親であり、レオンの類稀な才能を誰よりも高く評価している。ただ、倫理観に大きな問題を抱えている為、レオンから嫌悪されている。しかし、人心を惹きつける強烈な魅力があり、錬成技師としての腕前も相まって、多くの貴族から強く支持されている。その功績を称えられ、一代限りの男爵位を叙爵しているが、政治に関わる事無く錬成技師として活動している為、周囲からは『アデプト』の肩書で呼称される事が多い。黄金に輝く金属義肢の左腕がトレードマーク。



◆登場オートマータ

・人造乙女・アーデルツ【愛称:アデリー】
 錬成技師・レオンが錬成した人造乙女。その魂は樹木の精霊『ドライアード』。非常に高性能であり、体内に画期的な神経網を有した優秀なオートマータ。しかし戦闘用では無く、小柄であり、痛覚抑制の措置も取られていない為、本来なら戦う事が出来ない。貧民街で医療活動を行うレオンを影ながらサポートしようと、後見人であるシャルルに無理を恃み、懸賞金獲得の為、強化外殻を装備し、『グランギニョール』に参加してしまう。

・人造乙女・ナヴゥル
大貴族・ラークン伯が所有する戦闘用オートマータ。その魂は狂暴な妖魔『ナックラビー』。巨大な戦斧を振るい、決闘遊戯『グランギニョール』にて連戦連勝を続ける。長身かつ筋肉質な身体つきでありながら、妖艶な気配を漂わせている。錬成に際して、基本コンセプトを天才錬成技師・マルセルが企画しており、非常に高性能である。序列第一位のコッペリア『オランジュ』との対戦も噂されている。

・人造乙女・グレナディ
錬成技師互助会『シュミット商会』の代表、 ヨハン・ユーゴ・モルティエが錬成、所有するオートマータ。裡に秘めたる魂は慈愛と闘争の精霊『ラミアー』。一八〇センチに届く長大な刀――グランド・シャムシールを自在に操る。優美かつ端麗な容姿をしており、決闘遊戯『グランギニョール』にて事実上のナンバー・ツーである序列四位にランキングされ、強力なコッペリアとして広く知られている。

・人造乙女・オランジュ
一〇年無敗のコッペリアであり、天才錬成技師マルセルの最高傑作。『グランギニョール』序列第一位『レジィナ』の称号を持つ。神聖帝国ガラリア最強の個体であると同時に、一切の不完全さを否定する様な究極の美貌を誇る。あまりの強さに本人は退屈を感じており、自身に対抗し得る強者の登場を望んでいる。

・マスクをつけた歌姫
『グランギニョール』が行われる闘技場で、グランマリーに捧げる聖歌を独唱する女。聴く者を魅了する圧倒的美声の持ち主。ガラリア・イーサでは数少ない『戦闘を行わない』オートマータの一人。天才錬成技師・マルセルの作品。枢機機関院に管理されている。

・人造乙女・エリーゼ
秘匿されている人造乙女。



●各種設定

・アデプト【達士】
錬成技師として、特に優れた功績を残した者に与えられる称号。これ以外にも、特に際立った功績を残した錬成技師には、死後『サージュ(賢人)』の称号が、宗教的偉業を成し遂げた者には、死後『グラン(偉人)』の称号が与えられる。

・エーテル
あらゆるエネルギーの源であり、あらゆる運動エネルギーを増幅させる事の出来る究極の要素。液状で保管、利用される事が多く、人間の血液に酷似しており、鮮やかな紅色をしている。人間や動物の体内にも生体エーテルという形で僅かながら存在しており、オートマータには濃度一〇〇パーセントの濃縮エーテルが血液と同様に用いられている。エーテルは地中より掘削され、精錬所での精錬加工を経て流通しているが、ガラリアの場合、エーテル掘削と精錬の権利は『錬成機関院』と『枢機機関院』が、共同で管理している。

・エメロード・タブレット
オートマータの頭部、人工脳髄の中心に納められたタブレット。極薄七センチ角の翠玉切片を百枚以上積層し、組み合わせたパーツであり、機械的な反応に因らず、蒸気に因らず、純粋な練成概念の作用のみで作動する奇跡の集積回路である。切片の表面には『EMETH』から始まる、錬成技師にしか解読出来ない特殊な数式が、びっしりと刻み込まれており、これによって、精、霊、妖、魔に類する魂を再現、憑代としている。元々は人間の不老不死を目指す過程で錬成された物だが、人間の魂は非常に脆く、再生不可能であった為、数多の人々から存在すると願われた存在――妖魔精霊を、疑似的な魂として再現、オートマータの意志として活用している。

・オートマータ【人造乙女】
この世界の錬成技師達が、持てる技術の粋を凝らし錬成した、女性体の『人造人間』。その頭部――人工脳髄の中心には、精、霊、妖、魔に類する魂を再現し、憑代よりしろとする『エメロード・タブレット(翠玉切片積層板)』が納められている、そしてその肉体は、鉱物と金属を基に置換錬成されており、人工脳髄と人工神経節を除く全ての部位に於いて(皮膚、筋肉、臓器、血管、神経等)、人間と近似した形状と質、柔軟性、弾力性を有した生体構造となっている。その為、外見で人かオートマータかを判別する事は極めて難しい。体内を流れる濃縮エーテルの質を維持する為、食事と水分補給が必要であり、濃縮エーテルを用いたエネルギーの燃焼分解に際しては、酸素が必要となる等、人間との共通点も多い。一方で、人間を遥かに凌駕する筋力と瞬発力、反射神経、耐久力を有し、更に痛覚遮断といった特殊な能力も備えており、その戦闘能力は、銃器で武装した中隊規模の軍集団に匹敵するとされる。ただし、自己再生能力が極めて低く、ごく小さな怪我以外は、錬成技師による再錬成が必要となる。王侯貴族達、上級聖職者達は、優秀な錬成技師を囲い込むと同時に、強力な人造乙女を手元へ置き、己が権勢を示す事に高いステータス性を感じている。男性体のオートマータは、過去に何度も暴走を繰り返した為、現在は錬成されていない。

・強化外殻
強化外殻とは、国家間戦争に於いて開発された歩兵の為の武装であり、その技術をオートマータに転用した物。人体の微弱な生体エーテルに感応して駆動するそのシステムで、エーテルそのものをエネルギーとして稼動するオートマータとの相性が良く、筋力や瞬発力の向上は言うに及ばず、痛覚抑制や多腕化、特殊武装装備といった、オートマータならではの幅広い用途を生み出していた。ただし、低出力のオートマータをサポートする装備として有効ではあったものの、強化と負荷のバランス調整が難しく、攻撃性能を上げようと複雑化すれば、不安定な要素が増えるというデメリットが存在する。結果的に、不安定な外殻を用いるなら、戦闘に特化した高品質なコッペリアを練成した方が良い、オートマータは戦闘用コッペリアである……という考えが主流となり、近年では『全身強化外殻』を装備するオートマータは減少傾向にある。

・クシール
この世界における通貨。神歴一八九〇年に於ける貨幣価値は、凡そ一〇クシール=一〇〇円となっている。

・グランギニョール【決闘遊戯】
戦闘に特化した人造乙女『オートマータ』同士を『聖戦』と称し、円形闘技場で戦わせる宗教行事にして、王侯貴族達にとって最大の娯楽。ガラリア帝国とグランマリー教会が共に推奨している。ガラリアで活動する錬成技師の大半が、研鑽した錬成技術を発表出来る場の一つとして、グランギニョールでの活躍を目指している。グランマリー教会上層部直属機関の『枢機機関院』が管理運営しており、そこで行われる『聖戦』は『喜捨投機』の対象とされ、多くの貴族たちが莫大な金銭を投じて賭博に興じている。グランギニョールで行われる仕合は、参加実績の少ない錬成技師及び出資者で行われる致死性の低い下位リーグ・予備戦と、参加実績を認められた者たちが集う致死性の高い上位リーグ・本戦の二種類に分けられており、それぞれルールが違う。

・コッペリア
戦闘に特化したオートマータを、特に『コッペリア』と呼称している。全てが女性体であり、男性体は過去の戦役に於いて幾度と無く暴走を繰り返した為、現在は錬成されていない。

・スチーム・アナライザー・ローカス『蒸気式精密差分解析機』
計算、演算はもとより、情報処理、文書作成といった複雑な作業を、自動で高速に行う事が可能な蒸気動力の装置。入力した内容は、構造体内部のギアボックスへ機械的に記録する事も、或いはアウトプットして保存する事も可能。高さ二メートル、幅四メートルの金属フレームに囲われた演算システムの心臓部は非常に複雑で、長さ一.三メートル、太さ一〇センチほどの金属ドラムには、極小のピンが整然と打ち込まれており、これが情報処理の肝となる。ドラムの両端にはドラムを回転させる為のウォームギアがあり、蒸気機関からアンクルを経て動力を得たガンギ車と噛み合っている。金属フレーム内部で常時回転しているドラムは三〇〇本以上、隙間無く精緻に組まれ、ギアボックスとピンを介して互いに干渉し合い、キータイプ入力されたデータの解析を行う。解析結果はデイジーホイール状に並べられた印字用金属アームを介して、インク加工された専用用紙に出力される。
一〇〇年前に賢人認定を受けたサージュミュレーの作と伝えられている。

・スチーム・アナライザー・アリス『小型蒸気式精密差分解析機』
持ち運びも可能な小型精密差分解析機。キャリーケースに収納出来るサイズ。スチーム・アナライザー・ローカス程ではないが演算能力は高く、オートマータや義肢の状態を調べる音響測定等も行う事が出来る。

・ピグマリオン
優秀な戦闘用オートマータ『コッペリア』を錬成可能な、一流錬成技師に対する尊称。

・錬成技術
神学、薬化学、機械工学といった複数の学問を基に築かれた学術体系であり、人類発展の礎ともなった特殊技術の総称。グランマリー教によって庇護され、同時に、グランマリー信仰の基本ともなっている。錬成技師として活動する者たちは『不完全な物を完全な物へ』『無から有を創り出す』事を最大の目的としている。しかし、時代と共に研究研鑽が進化する中で、グランマリー教の教義と相反する部分も増えており、その点については、グランマリー教会が黙認という形で許容している。

・錬成技師
錬成技術を学び、『不完全な物を完全な物へ』『無から有を創り出す』事を目的に活動する者。薬化学、機械工学に詳しく、それらの分野で広く活動する。錬成技術を極める為、或いは莫大な活動資金を得る為、『人造乙女』を錬成し、王侯貴族達が熱狂する決闘遊戯『グランギニョール』への参加を目指す者が多い。



●地名、場所、建造物等

・神聖ガラリア帝国
錬成技術を研鑽する多くの錬成技師達を庇護し、錬成技術の発展に尽力して来た巨大な千年帝国。一八九〇年現在、蒸気機関と錬成技術の発展発達に伴い、複数の東方、南方国を属領化、植民地化し、強固な一大経済圏を築いている。皇帝ヴァリス四世【ヴァリス・ユリウス・ドラージュ・ガラリア】が帝国の統治権を有しているが、帝国樹立に深く関わった強大な地方豪族、貴族諸侯とは、利害関係で繋がっており、絶対の服従や恭順を強いていない。政治に関しては、皇帝による独裁的な差配は行われず、しかし皇帝の意向を尊重する、超然的帝国議会制度が採用されている。世界的に信仰されている『グランマリー教』を国教とし、教皇である歴代『マリー』を守護、ガラリアの歴代皇帝はグランマリー教・教皇より帝冠を授かる事で、グランマリー教との繋がりと、錬成技術の最先端を往く覇権国家としての姿勢を、強く打ち出している。

・首都イーサ
神聖ガラリア帝国の首都であり、グランマリー教会の総本山。世界最先端の錬成技術を有するとされる。三層構造となっており、広大な都市の中心部は、堅牢な城塞に囲まれた貴族達の居住区である『特別区画』、その周囲を取り囲む様に設けられた、庶民達の生活する『一般区画』、更に海洋へと繋がる運河沿いに『工業地帯』が広がっている。特に『特別区画』は、政治、経済、法律、宗教関連の重要施設と、貴族達の豪奢な邸宅が立ち並び、規模の大きさに加え、絢爛さも相まって、世界屈指の錬成都市であるとの呼び声も高い。

・グランマリー教会
一九〇〇年近い歴史を持つ、世界最大の宗教団体。叡智と繁栄、技術と戦略を尊び、神聖ガラリア帝国・特別区画内に総本山を構えている。教会トップの教皇は代々女性であり、叡智を司る女性預言者にして、世界最古の錬成術師である『グランマリー』の名を継ぎ、『マリー』を名乗っている。長い歴史と数多の信徒に支えられているグランマリー教会であるが、教皇『マリー』の顧問であり、補佐を行う五〇名程の『枢機卿』達が教会の運営実権を掌握、多くの貴族及びガラリア帝国議員達と提携し、その権力は帝国の中枢にまで及ぶ。しかし、絶対的な権力を有する『枢機会派』とは別に、現教皇『マリー』が独自に選出した在俗教区長の束ねる『在俗区派閥』も大きな勢力となっており、現在、グランマリー教会内部は、二つの大きな派閥に分裂している。

・歯車街
工業地帯と隣接して存在する、バラックと安宿が立ち並ぶ貧民街。廃棄された工業機器で溢れ返っている為、通称『歯車街』と呼ばれている。日雇い労働者や不法滞在者、陸運、海運に関わる労働者が数多く生活している。治安は非常に悪いが、食料配布等を行っている在俗区派閥・グランマリー教会のシスター達に狼藉を働く者はいない。

・南方都市・マウラータ
ガラリアの植民地となった南方大陸の都市。シスター・カトリーヌの故郷だが、内戦状態に陥った為、長年、都市機能が麻痺していた。

・東方都市・ジブロール自治領
ガラリアの植民地となった東方の巨大都市。他国との利権争いに巻き込まれ、内戦状態に陥っていた。ガラリアからも多くの機械化兵士が送り込まれていた。

・枢機機関院
教皇『マリー』の顧問であり補佐活動を行う、五〇名程の『枢機卿』達で構成された、合議制の機関。グランマリー教の指針を決定するべく活動すると共に、『特別区画』内で行われる宗教行事の管理運営を行っている。『グランギニョール』は、枢機機関院によって管理されている。

・錬成機関院
数多の錬成技師達を統括し、監督する事を目的とした合議制の機関。錬成技師の活動に便宜を図り、研究成果を適切に評価する事で、錬成技師の地位向上と安定を図っている。同時に、有能な錬成技師を育成するべく『練成機関院付属学習院』の管理運営も行っている。

・衆光会
庶民の格差是正と、労働者の地位向上というスローガンを掲げて活動する政治団体。多くの篤志家が参加しており、レオンの友人である貴族のシャルルもその一人。貧民街での食料配布活動や、安価なアパートの建設、孤児院の運営等、様々な慈善活動を行っている。しかし問題も指摘されており、己の醜聞を払拭する為に慈善活動を行う者や、税金対策として利用している者、世情に疎い理想主義者も多い。また、衆光会を束ねる労働者団体代表団も、貴族会員を都合の良い金づるの様に扱っている節があり、貴族からは経済格差問題を過剰に煽り立てる事で、労働者層を味方につけ、政財界に於ける組織の立場を維持していると揶揄されている。

・シュミット商会
特定の貴族や企業に因る事無く、フリーランスで活動する錬成技師達の互助会。錬成機関院とは軽い対立関係にあるが、敵対的とまでは言えない。特定の錬成技師を迎え入れ、成果が得られなかった場合のリスクを回避する意味で、シュミット商会と契約する貴族も増えており、貴族社会からも、それなりに認められている。

・マリー直轄部会
グランマリー教団のトップである教皇『マリー』を守護すべく組織された団体。同時に神聖ガラリア帝国の軍部とも繋がりを持っている。グランマリー教団『在俗区派閥』とは、ある程度の連携が取れているが、五〇名の枢機卿が運営している『枢機機関院』とは、軽い対立関係にある。

13件のコメント

  • 九十九どの!

    このたびはレビューありがとござますおほぉぉぉぉぉぉんッ!!

    完結に向けて気力が湧きましたぞ! 「グランギニョール」も山場ッ!! 拝読させていただきます! ほなまた!
  • >gaction9969様
    いえもう、いつも本当に非常に楽しく拝読させて頂いております!!><
    こちらこそ感謝です、ありがとうございます!
    ああいう推進力や勢い、力強さ、参考にしたいと思う次第です!
    続きも楽しみに読みに行きますー!!
  • 九十九様
    この度は、レビューをいただき誠にありがとうざいました。
    コメントを返すところがここしかないので、こちらで御礼申し上げます。
    読んでいて……「やべぇ、ガチのレビューだ。やべぇ……」と震えてしまいました。グランギョニールのレビューも書きたいのですが、あれほどのものは直ぐには書けませんので、エネルギーを貯めさせていただいてから、行きせていただきます。

    それから、レビューにて、過酷な戦の話が今後云々――とありましたが、艦隊戦やら、バトルシーンがうまく書けないっ……! のですよ(涙 熱核兵器が当たり前で、光速の10%まで加速した断片やら、重力子弾頭とかでてくるのに……まぁ、アットホームというかギャグ漫画な感じだからですかね。

    あと、こちらの設定集を読ませていただいて、「ほほぉ、これはいいな」と思いました。拙作のほうでも作ることを検討します。

    重ねての謝意を表しつつ――グランギョニールの更新お待ちしております!
    今度ともよろしくお願いいたします。
  • >有音 凍様
    いつも楽しく拝読させて頂いております!
    雰囲気の良いSFファンタジーで、思わずレビューを書かせて頂いた次第です><
    そして返礼等はもう、そのお気持ちだけで充分でございます!><
    ありがとうございます!!!!
    今後もデュークくんの冒険を楽しんで参りたいと思いますー!
  • >椿園様
    こちらこそ何時も楽しく拝読させて頂いておりますー!
    コメントを御遠慮との件、承りましたー! いえいえお気になさらず><
    僕とチロのお話、続きの方も楽しみに拝読させて頂きますので、今後ともよろしくお願い致しますー! この度はご連絡頂き感謝致します><
  • 九十九どのっ!

    またもレビューをいただき感謝の極みですぞ!
    (去年も同じようなことを書いてる……)

    またお会いしましょう、次作は! どうしょう……(まずそこ
  • >>gaction9969様

    いえいえ!>< 非常に面白く興味深いお話でした!
    視点や発想に驚きがあり、物語の核心で再び驚かされ、同時に全体の雰囲気はコミカルだったり優しかったり、とても楽しく読む事が出来ました!
    また読みに参ります~!
  • 大変不躾な質問をさせていただきます。九十九さんって、コンテスト応募してますか? 言葉足らずで申し訳ないのですが、なろうコンとか、そのへんのに応募してますか? っという意味です。
  • >>有音凍さま
    いえいえ、お気になさらず~!
    この度「ネット小説大賞(旧なろうコン)」に応募させて頂き、結果はまた解らないという状態です~>< 応募の規定に沿う内容なら、ものは試しに色々と応募してみるのも良いのかなと思った次第です><
    ご参考になりましたら幸いですー!
  • あ。一次選考通ったのですね。
    なろうの方は見ていなかったので、察知できていませんでした。
    大変申し訳ございません。
    二次選考応援させていただきます。
  • >>有音凍さま
    応援のお言葉、ありがとうございます!
    そしてありがたい事に一次選考は通っていたみたいで、ファンタジーでは無い、スチームパンクな世界観でも、頑張れるのだなあと、感慨深く思う次第です><
  • 九十九どの!

    このたびは「―ϑϐ―」にレビューをいただき誠にありがとうございましたぞ!

    私よりもこの作品を的確に表現されている……!?
    残り半分、頑張らせていただきますぞ! それではまた!
  • >gaction9969さま
    いえもう、今回のお話の肝であるサイコロ勝負、この最初のエキシビジョンで惹き込まれました>< ルールを読んでいたのにも関わらず気づきませんでしたし、そのトリックを成立させる為の前振りも見事でしたし、完全に意表を突かれ、思わずレビューを書かせて頂いた次第です><
    続きも楽しみに読みに来ます!!
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する