https://twitter.com/ito_naohiro/status/1005980946129043456多分、小説も同じようなことなのかと、思う。
結局のところ小説というものは描けないものを描こうとすることなので、書きたい部分の描写をいくらあつくしてもたどりつかないような気がする。
昔、ジョン・レノンがインタビューで「ポールも行儀よくしておけば、ちゃんとした曲がかける」といっていたけれど、どの曲のことだったかを忘れてしまった。
「Oh! Darling」のことだったような気もする。
でも「Oh! Darling」については、ジョンはポールにセンスがあれば、自分に歌わせたといってたように思う。
Oh! Darlingは、名曲だと思う。
そして、ポールは実に見事に歌い上げている。
名曲を見事に歌う。
それではセンスがないと、ジョンはいっている。
多分、それでは曲の向こう側へととどかないのだ。
必要なのは多分、ある破綻、あるバランスの悪さ、なにがしかくるった部分。
それが、「向こう側」を示すことができる。
だから、描こうとする部分ではないところの描写をあつくすることで、そこには描いていないなにものかが、浮かびあがってくるのではないか。
そんなふうにも、思う。