つばきとよたろう

夕星（ゆうずつ）の淡き輝き消えぬよに犬と並んで息をひそめる／道照らす眩い光どこへ行く行く当てのない車の轍／水滴の一つ一つが光ならぼくらは立ち上がる雨の日に

赤い月黄色い月と青い月助手席の君楽園の町／赤い目の耳が長いやつを追ってドアを開けるとぼくが寝ていた／マッチを擦る少女が夢見る世界には幸せな未来が映る

Aさんは大学の友達と動画サイトに動画を投稿していた。が、ほとんど再生回数は伸びなかった。友達がその秘策として、心霊動画を投稿しようと言い出した。実際、投稿してみると動画がバズって…

パソコンに積み上げられた本いつ見ても同じページでぱたと閉じる

大阪市東成区神路には、日本で唯一懐中電灯を作っている会社がある。それだからその町では不思議なことが起こる。明かりの下に行ってみると、外灯は今にも消えそうに点滅しているのに、妙に明…

竹林の小径　京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町 夜道を歩いていると、いつの間にか竹林の道を通っていた。一人で通るには寂しい道だった。しばらく歩いいたがなかなか竹林は抜けられなかった。…

廊下で出会った女の子に見覚えを感じる。それは眼鏡を掛けた田中さんだった。教室で眼鏡を掛けていたところは、一度も見たことがなかった。

屋上の君は空に溶け込んだように踊った。天地が逆さになって混ざってしまいそうなほど、景色が激しく歪んだ。

誰かと手を繋いでいなければ、死んでしまう世界。母親はある男女のグループに男の子と手を繋いでいた。

この町に生まれると、運命の鳥を一生掛けて探さないといけない。鳥は全て人の手で殺されてしまった。

誰かと手を繋いでいなければ、死んでしまう世界。母親はある男女のグループに男の子と手を繋いでいた。

ぼくが朝の食卓に着いていると、ドタドタと階段を下りる音がした。お兄ちゃんがいるから、二階に朝食持ってきてという妹。妹はあの日から二階から下りてこない。

満員電車の箱専用車両に間違えて乗ってしまった。そこは箱だけが乗っている不思議な車両だった。

最中さんは不動産屋に最強心霊スポットと噂される部屋に案内される。扉を開けると、天井から男の死体がぶら下がっていた。

敵に追われて入った料理店。店内には誰もいない。ぼんぼんぼんと不気味に鳴る柱時計。テーブルにはいつの間にか料理が用意されていた。そこには三分以内に召し上がれと書かれている。これは明…

寝坊してしまった朝、家を出る時間まであと三分しかない。急いで支度をするが、いつも決めていたことは必ずやらないといけないというシュールさ。

学校のホームルームの時間、教室に一匹の黒猫を見つけた。捕まえようとするも、引っ掻かれただけで、黒猫は逃げてしまった。翌日、黒猫に怪我を負わされた子は登校してこなかった。代わりに猫…

見た目も学力も人気も真ん中くらいの普通の女の子と、ぼくは付き合うことになった。予想外のツンドラ振りにぼくは翻弄される。この恋愛には条件があった。誰にも気づかれてはいけない。それで…

ぼくが何度も見る怖い夢は、校舎の窓の外からしがみ付いているという夢だった。ぼくはいつもそこから落ちそうになって目を覚ます。繰り返される夢。隣の席の佐藤瑞は、小さい頃の体験がトラウ…

お題「スタート」目が眩むほどの校舎の屋上に立って、ぼくは小さくなった地面の景色を見下ろす。不思議だ。誰もいないはずの屋上に、髪の長い涼しげな顔の女の子が立っている。

路面電車を待っていると、現れた不気味な電車。誰も乗ろうとしないし、降りてくる乗客もいなかった。

マンションからはジェット機が見えた。それが唯一気に入っているところだ。しかし、ある日窓を見ると、ジェット機ではない物が飛んでいた。

フェリーに乗って桜島へ渡ろうとしたとき、三四人と連れの女の子たちを見た。しかし、三人なのか四人なのかはっきりしない。

道を曲がって路地に入っていくと、数え切れないほどの烏が飛んでいた。烏は何に群がっていたのか。

深夜のコンビニに現れた女扉にべったり張り付いている。驚愕の事実が明らかになる。

ネタバレ注意 道田つくるは学校の帰り、中古ゲームソフトの店に立ち寄り、町を作るゲームを購入する。百円で買った物だから、あまり期待していなかった。案の定、いきなり資金不足に悩まされ…

ネタバレ注意 仏像好きな佐藤さよは、数学の授業の時黒板の問題を解くように言われる。でも解けなくて困っていると、顔を髪で隠している黒神くんに助けてもらう。お礼を言ったさよは、放課後…

終電にぎりぎりで乗って、マンションの最寄りの駅にたどり着くと、地下通路に挙動不審な男を見つける。

ぼくたちは偶然が重ならなければ、手に入らない幸運を集めていた。指先に止まったてんとう虫、七つ葉のクローバー、七の目のサイコロ、当たりばかりの自販機、大吉のおみくじ。

ホームルームで紹介された転校生は、背が高く体付きもがっちりしていた。名前を聞いた時、教室中が凍り付いた。いじめを受けていた生徒と同じ苗字だったからだ。

深夜の散歩で見つけた夜のサーカスの張り紙、それは小さな公園に張られた大きなテントで行われる、見たことのない曲芸だった。

魚目(さかなめ)すてるは、顔中に包帯を巻いていた。しかし、教室の誰もその理由を知らなかった。

坂崎ぬるみちゃんは名前も変わっていたが、性格も変わっていた。学校にいてもいつも縫いぐるみを抱えていた。

　ぬるい風が墓場の方から吹いてきたように、足元をするすると通り抜けていった。どこまでも続く長い道は、眩い光を浴びて、幻のようにぼんやりと白く光って見えた。どこへ行くとも当てがある…

でこぼこトリオの三人が、ちょっとエッチな珍事件を解決する。

五歳の男の子、オットーはちょっとしたイタズラが原因で、魔法を封印されてしまった。七歳になったオットーは、魔法を使った罪で牢獄に入れられていた。そこへ身元引受人のバートとミランダが…

黒川くんは、クラスのみんなからイジメられている。夏希もそこ中に加わっている。でも、心の中は反対だ。黒川くんのことが気になって仕方がない。

マンションのベランダに作った棚に、大きな鳩が来るようになった。鳩の足には、文が結ばれていたが、雨に濡れて何と書いてあるか分からなかった。

忘崎迷は一日で記憶を失ってしまう。昨日の記憶は無い。そんな彼女は日記やメモ帳や写真を頼りに、昨日の自分を取り戻そうとする。

ぼくらは真夜中の教室に忍び込んだ。そこで思わぬクラスメートと遭遇した。栗原さんは真っ暗な教室の席に黙って座っていた。

その商店には人は誰もおらず、一匹の猫が寝転がっていた。

写真部のぼくは、被写体に学校に棲み着く白髭と呼ばれる虎猫を選んた。白髭の後を付けているうちに、見たこともない社にたどり着く。

幼馴染みの智樹は、いつも私がピンチの時には助けてくれる。鼻血を出しながら、ボロボロになっても、にかっと笑って白い歯を見せている。

通学路にある横断歩道で木田未来は、憧れの先輩と出会う作戦を試みていた。しかし、何度やっても上手くいかない。運命の悪戯だろうか。

カクヨムから焼き鳥を販売する、と公式に発表がありました。

尾道小鳥は、その日男の先輩に体育館の裏に呼び出される。それで遅くなってしまう。彼女のうちは母子家庭で学校帰りは夕飯の買い物をしなければいけない。弟の面倒も見なくてはいけない。

学校の教室に集められた老人たち、かつての同級生だった。当時と同じように席に着くが、音信不通や他界した人も少なくない。

木田未来は、いつも明るく笑いの絶えない女の子だ。でも、同級生からすれば、ちょっと大袈裟すぎる。悲しいことも笑いに変換すれば、幸せになれると思っている。でも現実はそう上手くいかない。

同窓会の名目で、男女六人が中川文人の屋敷に呼ばれた。中川は夕食の時、殺人事件が起こったと仮定しようと話を切り出す。

宇野瑞希は虹を見つけるのが、得意だった。虹が出ると、僕には聞こえない鈴の音が聞こえるという。そんな彼女が虹を見ることを失った。