本日の更新にて「蓬莱百貨店外商部」が完結しましたー!
蓬莱百貨店外商部
https://kakuyomu.jp/works/822139838314006810追いかけてくださった方、ありがとうございます! どうでしたか? また、追いかけている途中の方、お気に留めてくださっている方もありがとうこざいます。ゆるゆるお楽しみくださいね。
そんなわけで長編完結恒例のあとがきです。ネタバレ有りなので、未読の方は読み終わってからどうぞ。
ひさびさのSF作品でした。中華の裏社会という今までにない世界観のお話、加えてあまたの界隈をにぎわすAIの問題も加味しました。AIについては今回のカクコンでも題材に使っている方が多いですね。それに便乗した形になってしまったのは本意ではないんですけど、「蓬莱百貨店外商部」は「人間の『記憶』が『情報』としてデータ化できるとしたら、その価値はどうなるのか、どう扱われる未来が来るのか」ということをAIと絡めてみました。「記憶」は「ディ・ア・レ・スト」でも扱ったテーマでもありますね。そんな題材を皇の柘榴の謎を描くなかで書いたつもりです。本編最終話の皇と楊の会話にそれはよく現れていると思います。
ですが、ストーリーを引っ張る謎、「柘榴=皇」はあまりよく練られた謎ではなかったと思っています。人格を持つ人工知能、ってのはおそらく書き古されたネタでもあるでしょうし。たぶんみなさん早い段階で気づいたのではないでしょうか。
なので、ほかにもうひとつ「お楽しみ」をラストに作っておく必要があると感じました。それにあたるのが、うまくいったかどうかわからないのですが「皇」の旅立ちです。ここに意外性と、SFらしいラストのカタルシスを託した格好です。人工知能が意識を持った時、そのすえに何を望むかということを考えての「知的好奇心への到達」ひいては「宇宙への旅立ち」だったわけです。これは人類も同じ道筋をたどっていますよね。そういう意味ではSF的ロマンとリアルティを両立させた話の終わり方だったのではと思います。そのほか、人間の感情のなかで「執着」をクローズアップしたのは自分らしかったなあと。「梨子割」や「我が絵よ世界を司れ」を読んだ方は頷いてくださるかと。
また、今作はいろんなところで言っていますが、「ただただひたすら楽しい展開を重ねて書くこと」を優先して書こう、と決めて書いた作品です。こういう書き方、あまりしてこなかったのですが、結果としてワクワクを積み重ねていく形になったのでとても書くモチベーションとしてよかったですね。主な「楽しい展開」としては、バックヤードでの乱闘、西王母ちゃんとの追っかけっこや朴さんとネルグイの外商部員としての再登場、マダム・ハオの意外な趣味あたりがそうですね。ことにマダム・ハオのところは「なにのアニメが好きなんだ?」と一部で盛り上がっていただけたのがうれしかったですし、作中のヒントを見抜いて当ててきた方がいらしたのは、おさすがでした。こういうメタ的ネタを仕込むのもたまにはいいですね(そう、ちゃんとヒントがあるんですよ。気になる方はもう一回「外商部員、起つ」を読み直してみてくださいね)
あとは中華文化を調べながら書くのもとても楽しかったです。まったく知らない異文化を知るのもワクワクしますね。今年は横浜中華街の春節に出かけてみたいな。
そして、本文の最後に書き添えたように続編を書ける余地はたーんと持たせた終わり方でした。現在きちんとしたプロットがあるわけではないのですが、てんえがのように第三部くらいまで広げられる話かな? と考えています。黒幕の地球の存在が匂わせただけで終わっているので、この辺の人類社会の動きを他のコロニーと絡めて書いたら面白くなるかな、と思っています。あとなんていっても「皇」のその後も。
だけど、題名通り「蓬莱百貨店外商部員」としての楊の活躍が主軸にならねばならなければいけないとも思うので、百貨店描写と外の世界のあれやこれやをどう並行して書くかな……というのが大きな課題ですね。
とはいえカクコン11長編作品としては、今日までのところでやり切りました。エンタメ総合、ダンジョン勢の流入もあり例年以上に魔境となっておりますが、読者選考は抜けたいなぁ。うまく行ってくれるかなぁ。あんまり自信がないんだよなあ。うう、応援してくださるとうれしい……。
とにかくエンタテインメントとして楽しく書きましたので、皆さんも楽しんでいただけていたらつるとしては「書いた甲斐あった!」となります。どうでしたか?
たまに楊や柘榴のことを思い起こしてくださると嬉しいです!
そして続きを書きだしたら、また遊びにいらしてくださいね。
(画像は「柘榴のイヤーカフ」。実は実在するのです。好きハンドメイド作家さんの作品で、これを手にしたからイヤーカフを話の重要な役目にしようと思いついたんですね。たまに着けて柘榴の気分で楽しんでおります)