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比翼の鳥の突っ込み所について

・言葉について
「きつ・し」は15世紀、「ば・れる」は17世紀の文献に載ってます。
それをカタカナ表記しているだけです(文献ではひらがな表記)。

熟語(特に二字熟語)の中には明治に作られた造語もありますが、大抵はそれ以前からある熟語に西洋の言葉の意味を付加したものです(二字熟語は明治から、は一部の例外を除いて誤解)。
「自由」@muromachi_botさんのTweetより
これは室町時代の用例ですが江戸時代の資料にも載ってます。
https://twitter.com/muromachi_bot/status/1477461433218899972
「真実」「教化」「時代」などはこちら。
国立国語研究所のサイト
https://www2.ninjal.ac.jp/textdb_dataset/amis/amis-rk-001.html
全ての熟語を一々調べたりはしてませんが、古いものだと8世紀の文献とかも出てきます。

・名前について
花月はともかく光夜に関しては元服前の幼名という事でそのまま呼んでます(幼名で光夜という名前は付けないのでは、と言うのはありますが)。
長編にする時に元服の話を入れますが、諱(いみな)はまだ考えてません。
元服して諱がついても途中で主人公の名前が変わるとややこしいのでそのまま光夜と呼ばせるかもしれません。

・柳生宗矩(但馬守)を何と呼んでいたのかについて
これは調べが付きませんでした。
ただ柳生宗矩が但馬守ではなくなった後は別の人が但馬守と呼ばれていたので恐らく「但馬守」とは呼んでなかったと思われます。
亡くなってるので柳生宗矩と諱(いみな)で呼んでしまってもいいのかもしれませんが、ここでは一応戒名の西江院にしてあります。

・柳生新陰流
武術に詳しい方なら最初に「大学は初学の門なりと云う事~」と言った時点で「柳生新陰流」だと気付いたはずなので、5章終盤で花月が「他流の教えを請いたい」と言った時、「え?」と思われたと思いますが、弦之丞が稽古場を開く前に入門していた道場は江戸柳生です。
その後、回国修行をしたりして自分で道場を開く頃には柳生新陰流そのものではなくなってしまったので柳生新陰流を名乗ってないだけです。
花月もそれは知ってます。
ただ桜井家が江戸柳生そのものではなくなってしまったので江戸柳生の流れを汲んでいると食い付いてしまう、というだけです。

・「藩」「幕府」
当時は「藩」「幕府」とは言っていなかった(それぞれ「~家」「御公儀(ごこうぎ)」だったというのは聞いてますが、専門家の方々の論文でも「藩」「幕府」を使っているし、「藩」「幕府」というのが共通認識なので当時はそう言っていなかったと言っても分かりやすさを優先した方がいいかなと言うことで「藩」「幕府」と言う言葉も使っています。

・「稽古場」「道場」
「藩」「幕府」同様「道場」も少なくとも幕末以前は「稽古場」らしいのですが「道場破り」「道場剣術」の「道場」は「稽古場」に置き換えられないのでこの部分は道場を使っています。

白と設定が似てる点については説明のところにも書きましたが2013年には既に書いていたので……。

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