通い慣れた馴染みの店だからいいとしても、コーヒーを一杯で一日粘られたらさすがに叩き出したくなると思うんだよね。いやなんの話だこれ。
柳井義久というキャラクターについては、皇帝陛下の懐刀で皆さん存分にご覧戴いており、なんとなく人となりは把握されているかと思いますが、作者もたまには語ってみたいと思います。
まずもって柳井さんという人は、宰相になろうとしてなっているわけではないという点はもうご理解いただけていると思いますが、地位が人を作るの典型例みたいな人です。
アスファレス・セキュリティの課長か部長で現役人生を終えていたかも知れないし、もっと言うなら帝国軍を除隊されなければ帝国軍人として一生を終えたでしょう。野心のかけらもない人です。
ただ、それを見抜いて地位を用意した皇帝陛下のご叡慮はさすがというべきか。ジークカイザーメアリー!
至って真面目な人なので仕事を与えられれば最善を尽くす人でもあります。仕事大好き人間で、仕事が趣味。ワーカーホリック気味ですがこれは精神的にもあまり堪えていません。
体力的な疲労はあるし、本人は戦艦吹き飛ばす方が気が楽などとぼやいていますが、あれはぼやき癖の不平屋気質があるからで、本心では人殺しせずに済むならその方がいいわけです。
神経が単分子ワイヤー撚り合わせたケーブルだのなんだの言われますが、多分言ってるベイカーや皇帝も相当ごんぶとワイヤーで出来てると思われる。少なくとも胃が痛んだりすることもないので、ストレス耐性はかなり高め。
ジョークを口にする程度には洒落の分かる人ですが、どうもそのジョークの質や鋭さは本人が思っているよりも鋭利かつ重量級で、慣れていない人はギョッとすることもしばしば。これはアスファレス・セキュリティ時代にその傾向が強まったものの、帝国軍東部方面軍兵站本部に居た頃からです。横に居たのがアレクサンドラ・ベイカーなので、増幅し合ってるわけです。
食事の趣味はよく言えば庶民派、あけすけに言えば貧乏くさいです。元々庶民だからしょうがないですが、やっぱり宰相にまでなって一般職員用食堂でかけそば喰ってるのはいただけない、というかほんと周りが気を使うので勘弁だよね。
貧乏舌というより食事にあまりこだわりはないのかも……と思いつつ、生まれ故郷が現在の日本、横須賀ということで海産物は好きな様子。鯖の味噌煮も大好物ですが、果たして宮殿で出してくれるのだろうか……?
そして酒。前後不覚になるほど飲むことは絶対にないですが、酒自体は大好きな様子。特にウイスキー。葵という銘柄が好きなようです。帝国本国なら手に入りやすい銘柄な模様です。SUNT○RYっぽさがある銘柄。価格帯としては現在のリザ○ブやらジョニ黒くらい。先帝バルタザールⅢ世も愛飲していたというベストセラーですね。
ただし、辺境まで行くと手に入りづらいらしく、アルバータ星系で課長してた頃は中々代替品を見つけられなかった模様。
酒の強さ自体は平均より少し強いくらいで、うわばみ級の皇帝やピヴォワーヌ伯、ベイカーには負ける様子。宰相になってからは公的立場があるのでさらに飲酒時は気を引き締めてるので、飲む量自体も減って健康にも良さそう。
趣味の読書は何でも読む雑食性。多分活字中毒の気があるのではないかと。
フィクション/ノンフィクションに限らず週刊誌にゴシップ紙、学術誌も読みます。
情報収集、特に帝国では辺境情勢が本国に伝わりづらく、大手メディアも本国や領邦偏重でマイナーな自治共和国や辺境開拓惑星情勢は週刊誌報道のほうが早いという側面も。ただし、虚実入り乱れているので情報選別の手間は大きいようで。
一般常識レベルの知識はもちろんありますが、宰相になってからは広範な行政知識や経済情勢、軍事情勢も把握しなければならないので、割と外部の識者の知恵を借りることが多い様子。マルテンシュタインを引き込んだのもそのあたり。
帝国大学のシンクタンクを援助しているのもその一つ。勉強熱心ですね閣下。
本人の身体能力は……謎が多いですね。帝国軍にかつて身を置いて、その後民間軍事企業に行っているので基本的なことはできたのではないかと。射撃の腕とか気になるところです。アルバータ星系に居た頃にはそこそこ体力ありそうでしたが。
男女関係については、帝国軍時代にベイカーとは同僚としてもパートナーとしてもそれなり以上に親密だったことが作中でも明らかにされていますが、婚約までには至らなかった様子。柳井がお見合い結婚する際に円満解消。今はよき友人。
結婚したのは東部方面軍兵站本部に居た頃の上官の娘。兵站本部から軍内部の政治闘争に巻き込まれて前線送りにされ、戦艦の副長をしていた際に色々あって除隊した際に、喧嘩になって三行半。柳井さんとしても、また元奥さんとしても後味の悪い結果になっています。
(柳井さんの過去についてはチラチラと出ていますが、需要あるもんですかね。まあ何年後になるかわかりませんが…)
現在の柳井さんは再婚も考えていません。前の結婚生活がどうこうというより、仕事仕事で家庭を顧みないタイプなのを自覚しているからだと本人は言っています。
ただ、女性の好みはちらっと出てますね。ベイカーはともかく、リンデンバウム伯や皇帝の妹であるマチルダなどはストライクゾーンの模様。実は嫋やか女性が好みの模様。喪服のリンデンバウム伯を見て美しいとか言ってましたね。どこかの不良中年も言っておりましたが、喪服を着た女性が美人に見えるのは確かな事実らしいです。
なお、皇帝から度々モーション掛けられてるような描写もありますが、あれは皇帝としては周りが狼狽えるのを見て楽しんでるだけで、本気ではない様子。
そして柳井さんと言えば外せないのが服装。これも特にこだわりはなかった様子で、宰相になってしばらくは今で言うスーツのA○KIとか洋服の○山みたいなとこで買ってきた吊しの量産スーツでした。
悪癖である高級品の値段を自分のスーツで換算する癖でお馴染みですが、大体五万帝国クレジットくらいを一着で換算しています。
普段着の柳井さんは作中ほぼ出てこないですが、まあ仕事ばかりの人なので…おそらくカジュアルなジャケットの数着くらいと、チノパン、夏場ならポロシャツとか程度でしょう。おしゃれには興味が無い様子。
そんな柳井さんも、宰相就任後シェルメルホルン伯爵のチョイスで高級スーツを着ることに。フルオーダーメイドです。今までのスーツの10倍以上。靴やシャツ、ネクタイも合わせたら、高級車が何台か買えるのかも。
ネクタイの趣味も地味でしたが、伯爵や皇帝のチョイスは比較的派手め。宰相としての押し出しを強くしたい意図もあるでしょう。
身長175センチ。細マッチョ……とまではいかないまでも、同年齢の男性としては引き締まった見た目。
スーツがよく似合う、とされるだけあって顔は比較的いい模様。軍服が似合わないとよく言われるのは、帝国軍服のデザインが柳井さんと相性悪いだけかもですね。
(懐刀を読んでる方々の脳内では、柳井さんはどんな見た目なのでしょうか。個人的には、あえて例えるなら俳優の堤真一とか唐沢寿明みたいなイメージ)
などと書いていきましたが、まあキャラクター解釈は読んだ方それぞれにあるので、まあ参考なまでに、という程度で。