徴税艦隊(タックスフォース)!誕生秘話(というほどのものでもない)

さて、連載も一段落したのでここでどうやって徴税艦隊が誕生したのか、需要があるのか不明ですが裏話をば。


徴税艦隊はGoogleスプレッドシートにキャラ一覧、用語集、年表(アスファレス・セキュリティ業務日誌と一部兼用)等などをまとめ、資料集を作成するところから開始しました。

その更新履歴を見る限り、はじまりは2018年10月下旬。

そもそもの発端(?)は筆者の所属する文芸サークル『頌櫻堂書房(しょうおうどうしょぼう)』の店主兼執筆陣の一人、紗水あうら先生と、天ヶ瀬恭一さんとの深夜の編集会議と称する駄弁りの中でした。

『郵便配達員って昔、拳銃所持してたんだよね? だったら官公庁が武装化して戦うお話とかイケるんじゃね?』

というようなことを、三人の内誰かが発したと思われます。当時、我々はカクヨム等の小説投稿サイトへの進出を企図しており、その企画の一環だったと記憶していますがはてさて。

しかし、どこを武装化したら面白いか、より不穏になるか、

『僕ぁクーデターとスペオペが書きてぇんだ』

と筆者は宣ったのかもしれませんが、ここで紗水先生による閃きが。

『米海軍のタスクフォースって……タスクフォース……タックスフォースだ! 国税局に武装艦隊を持たせてやろう。これでどうだ孝明君』

などと言ったような気がしますが、ここに現在に至る本作のアイデアが結実したのでした。

その後、プロローグにあるような国税省特別徴税局のあらましと、局内の部署編制等を紗水先生が作成し、そこにキャラクター、メカニック、大まかな世界観を筆者前作のアスファレス・セキュリティ業務日誌とガッチャンコして、形になったわけです。

そこから主人公の設定に入りますが、斉藤君は当初よりエリートが愚連隊に放り込まれるということで固まっておりました。

そこから彼の相方として先輩格の2.5枚目頼れる先輩?のアルヴィン、冷静沈着ツッコミ担当のハンナ、ヒロインのソフィ、ゲルトとなるのですが……

はい、本作もう一人の主人公、永田閃十郞の誕生です。

名前は昭和日本陸軍をご存じの方ならピンとくるでしょう(?)

傑物永田鉄山+なにも銑十郞こと林銑十郎を足して二で割り、申し訳程度に銑を閃に変えたんですね。

ヘラヘラしながらえげつないことを平気で行ないつつも、国税徴収については忠実に行なう本省から島流しにされた人……この人こそ、本作を通して語られた使途不明金問題を探し当てた張本人だったわけですね。

この人、キャラが強いのと編集会議参加陣の趣味が存分に反映されてしまい、当初この人が主人公を喰っちまうのではと危惧しておりましたが、物語が転がり出すと、中々どうして斉藤君もただただ圧倒されるだけでなく、プッツンしてくれるようになったので筆者としては安堵しました。斉藤君、立派になって……(ホロリ)

あ、永田局長はじめ登場人物に喫煙者が多数登場しているのは筆者の趣味です。禁煙なんかクソ食らえ。人類の科学は、叡智は、些末な健康問題など乗り越えてみせる!


と言うわけで、局内の各幹部も続いて作成。優秀で色物揃いという当初プラン通り、元海賊船船長、ダメの一言ですべての反論を封じる陰の局長総務部長。

ネコの餌やりばかりして局長室で茶を啜りたばこを吸う局長と同期の徴税部長。

胃痛持ちの元帝国軍参謀の徴税一課長。

薬中紳士マジモン貴族の徴税三課長。

ロジカルヤクザ、フリーのエンジニアから一本釣りした徴税四課長(なお、このキャラのみリアル人物を参考して作成)。

帝国内で海賊しつつ分離独立運動していた政治犯の実務一課長。

アル中禿頭酒の神に愛された実務二課長。

元帝国軍エースパイロットだが死にたがりの実務三課長。

恐怖の督戦隊隊長、政治将校風バトルジャンキー実務四課長。

これに合わせて副官クラスの課長補などを設定していったわけです。ターバンがなぜターバンになったのかは覚えてませんが、インド人=数学=コンピュータもいけるはず=じゃあターバンだな(?)という経緯があったようなないよう
な。


旗艦艦長以下各艦艦長のフルネームについては実はソ連共産党の初期メンバーから。
例えば総旗艦カール・マルクスは入井令二(いりいれいじ→いりい・れいに→イリイチ・レーニン→デェェェン!)艦長をはじめ、

実務一課旗艦インディペンデンスは吉富鉄人(よしとみかねひと→よしふ・てつじん→ヨシフ・スターリン→デェェェン!)

斉藤君達後半の母艦であるヴィルヘルム・ヴァイトリング艦長の不破凜(ふわりん→ふはりん→ブハーリン)

などなど…まあ旗艦カール・マルクスというのは多分紗水先生の発案だったはず。そこから派生してのソ連邦共産党初期メン捩りですね。本部戦隊、つまりカール・マルクス護衛艦隊が経済学者などで固められてるのもやはり紗水先生発案。

それ以外の艦艇名は大体筆者設定。


さて、忘れてはならないのが徴税二課長ハーゲンシュタイン博士。

この人がいたから本作ラストの特徴局の勝利がなし得たわけですね。

当初より科学狂信者として設定されました。実はフォンと付くとおり、お貴族様でいらっしゃいますが…

その他、多数の登場人物がいますが、元々群像劇方式だったのでともかく数が多くなりました。皆さんはどのキャラが印象に残ったでしょうか?


そして本作のトラブルメーカーもとい大体コイツのせいもとい重要人物、フロイラインことエレノア・ローテンブルク、メアリー・フォン・ギムレット公爵、そしてその二人に振り回される柳井義久さん。

彼女達はアスファレス・セキュリティ業務日誌にて登場したキャラですね。柳井さんはこちらの主人公でもあります。世界観を流用した時点でこの方々の登場は決まっていました。アクの強い特別徴税局メンバーに混ぜても問題ない強烈なキャラだったと自負しております。


彼ら彼女らのお話は、まだまだ連載続きますので、ご覧いただければ幸いです。


最後になりますが、徴税艦隊(タックスフォース)!も外伝が控えており、鋭意作成中ではございますが、もうしばらくお待ちくださいませ。

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