*2022/11/01 次話「緊張感って持った方がいいですか?」の冒頭にあった部分をプロローグに仕立て直しました。
*なお、本作は原則三人称視点で執筆しております。なので、地の文では一人称の「私」ではなく、「梓」や「咲弥」のように表記してあります。
https://kakuyomu.jp/works/16816452219958623327/episodes/16817330649089248360
~~~本作のあらすじ~~~
夏の夕暮れ時、突如として茜に染まる空を分かたんと現れたのは、天を縦断する亀裂とそこから這い出る黒い影。
直下の川面にも広がりを見せる裂け目からは濁流のような水が零れ落ち、瞬時に水位は上昇。囂々と降り注ぐそれに押し負け溢れた水流は、市街を没しようと瞬く間に浸水の手を伸ばしていた!
「こちらアルファ。それで、ベータの首尾は?」
『お姉ちゃんの方は大丈夫だよ! 歪み(ターゲット)に影人、それからあーちゃんのこともバッチリ捕捉できる位置に着いたし』
「ならいいんですが。というか咲弥さん、まだ作戦行動中ですよ? ちゃんとコードネームは使ってください!」
避難する住人のざわめきと遠くから鳴り響くサイレンをbgmに、そんな〝空間の歪み〟の元に向かうは1人の少女。
一見、帰宅帰りといった風の女子校生。あーちゃんこと如月(きさらぎ)梓(あずさ)は、前髪に隠れていない眠たげな左目を瞬かせ、水飛沫が上がるのもいとわずに住宅街を駆け抜ける。
『ええ! だって、今あーちゃんも名前で呼んだのに?』
「……うぐ、それはですね……そんなことよりもです。さっさと片付けてしまいますよ?」
『は~い、それもそうだね。お仕事お仕事~っと』
住民の動揺と不安が伝播する街中に響くのは、なんとも緊張感のない気の抜けた声。
「おや、今日のは一段と規模が大きいですねー!」
通信用ヘッドセットに警棒を携えて、この場に不釣り合いな制服の少女――如月梓が噴出する暴威の中心に身を躍らせる。
これは、災害級の豪雨に突風。竜巻や落雷を齎す歪みに加え、それに呼応し表れる謎の影人を封印せんと奔走する異能少女達の超常ファンタジー(?)
あちこちで多発する災害? 世界の危機? シリアスさんはお呼びじゃないんですが……。
仕方ないですね。これ以上、〝私の生活〟が壊される前にどうにか防いでみせましょう!!
突然、五行に見初められた陰陽娘が、襲い来る影と芽生えた能力に振り回されながらも世界の終焉に立ち向かう。
◇◇◇
小説家になろうとPixivでも連載中。
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