鳥山留加

ある日突然、同じ職場で働く笹本さんに話しかけられた「私」。笹本さんは、外見と中身がまったく噛み合わない、不思議な雰囲気を持つ女性だった。そんな笹本さんの家に手料理を食べにいくこと…

「姉ちゃん、会いに行っていいかな」 久しぶりに弟が私に会いに来る。戦わなければいけない。弟は、敵なんだから。

父の記憶。

クラスメイトたちから痛めつけられる成沢を、「私」はずっと見つめていた。10代だったあの頃。「私」は永遠に手を伸ばした。

どこかの星の、どこかの国の姉妹の話。

海辺の家に引っ越してきた「私」は、海の上のピアノ教室に通い始める。私の手の水かきを見て、「先生」は言う。「君はそのままでいればいい」 と。その瞬間、眼に映るすべてがいとおしく、狂…

「僕」と良彦は表札の傾いたアパートに二人で暮らしている。「僕」は良彦の細くて優しい目に見つめられると、何故かとても不安になる。一羽の烏がベランダに現れたその時から、「僕」と良彦の…