ごきげんよう。
昨晩、私はウォーキング仲間からの誘いを受け、いそいそと支度を始めていました。
しかし、珍しく慌てた様子の末っ子に引き止められます。
「ヤツ(G)が出た!」
にわかに緊張が走ったものの、私は準備の手を止めませんでした。
もう11月で涼しさも増しているというのにそんなわけ……。
しかしあまりに末っ子が怯えているので、台所に様子を見に行きました。
末っ子によれば台所の作り付けの食器棚に出没したヤツは、我が物顔でカサコソと動き回っているようです。
私は食器棚の扉を開放し、おもむろにラップの箱を握り締めました。
上から降ってきて顔に乗られてもイヤなので、椅子に乗って食器棚の下からラップの箱でガンガン叩きます。
「うぉりゃあああ!! この卑怯者めええええ!! 出て来いやあああああ!!」
対G兵器(殺虫剤)のスプレー缶を構え、一歩も退かぬ姿勢で挑みます。
しかし、ヤツは一向に姿を現しません。
私は戦略を変えることにいたしました。
すなわち一時撤退です。(((((((((((っ・ω・)っ ブーン
私は現場の散乱から目を背け、何ごともなかったように「ウォーキング行ってきまぁす♪」と明るく宣言しました。
私に必要なのは戦いに明け暮れる日々ではなく健康なのです。
ヤツを撃退したものと思っていた末っ子からは「ありがとう! いってらっしゃーい」と温かい送り出しを受けました。
「ヤツはまだ生きてるぜ! あとは任せた!」
捨て台詞を吐いて玄関を閉めた私でしたが、ウォーキング中も家のことが気になって仕方がありません。
仕方がないのでキリのいいところで切り上げて、恐る恐る家に戻ると、台所だけ隔離するようにすべての部屋のドアが閉め切られていました。
_:(´ཀ`」 ∠):_
私は惨状から目を背け、スマホでそっとカクヨムを開きました。
こんな時はコメントの返信をして心を落ち着けるに限ります。
するとそこには現在連載中の異世界ファンタジーに対する福山典雅様からの考察SSが寄せられていたのです。
https://kakuyomu.jp/users/toriokan/news/16818093088047633727(ネタバレ注意)
私はしばし現実を忘れ、腹がよじれるほど笑ったのでした。
ありがとうございます。福山様。
ヤツはまだ見つかっていません。_:(´ཀ`」 ∠):_