朝、布団の中でグズグズしている時に、ヘンデルの「Ombra mai fu(オンブラ・マイ・フ)」が浮かんできて、転がったまま歌っていたのですが、芋づる式に黒い歴史が脳裏に蘇り、1人で悶絶しておりました。
若者だったワタクシは、ジャニス・ジョプリンにほのかな憧れを抱き、聖歌隊に入ってみたり、強い酒で喉を焼こうとしたり、危ないオクスリ以外のことは大体試しながら、綱渡りのような人生を送っていました。(法定年齢のことは置いといてください)
聖歌隊で宗教音楽に触れるうち、オペラや声楽にも興味を持ち、ヘンデルのオンブラ・マイ・フも覚えました。
なんとかアカペラで歌えるようになった頃、友達に男女混合のカラオケ(という名の合コン)に誘われました。
流行りの曲など知らないし、マイクを通した自分の声が嫌いなので、カラオケはなるべく断っていたのですが、タダ酒に釣られて承諾してしまったのです。
あーやっぱダルいな帰ろうかなと思っているうちにマイクが回ってきます。
どうやら1人1曲は歌わないといけない謎ルールのようです。
しかし、先に申しましたように、流行りの曲は知らないし、当時のカラオケには洋楽曲も少なかったのです。
ワタクシはマイクを投げ捨て、アカペラで「オンブラ・マイ・フ」を歌いました。
腹筋を無茶苦茶鍛えていたので、マイクはいりません。
腹式呼吸で喉を開き朗々と歌い上げます。
歌い終わると、会場は静まり返っておりました。
やっちまったなと思ったワタクシは、残っていた酒を煽り、退散することにしたのです。
男の子の連絡先は1つも手に入れることができぬまま、しょっぱい青春の味を肴に、ウィスキーのボトルを抱いて眠りにつきました。
【完】
えっと……黒歴史ってこんな感じのやつでいいのかしら?
エッセイにしろって?
ヤダ⁽⁽꜀(:3꜂ ꜆)꜄⁾⁾ヤダァァァョ
運営さんが「近況ノート芸人」を認知するまで、草の根運動を続けていこうと思います。(無駄な抵抗)