がんばれ~みんながんばれ~♪
井上陽水の「東へ西へ」を歌っていたら、なぜか寸借詐欺に遭ったことを思い出しました。笑
寸借詐欺とは、「お金を落とした」「財布を落として家に帰る電車賃がない」などと相手の善意に付け込んで、返すつもりもないお金を借りて小銭をだまし取るセコい犯罪です。
同情商法も詐欺行為と同じですね。「大変なんです」「困っています」「助けてください」と相手の同情を買い、商品を売りつける訳です。
ある日、道を歩いていると、小さな老婦人が話しかけてきました。
鳥尾巻は「誰とでも一瞬でフレンドリーに話す」という特技があるので、おばあちゃんとにこやかに挨拶をかわしました。
聞けば、彼女は「財布を落として家に帰るバス賃がない」とのことでした。
これは寸借詐欺だなあ、と思ったのですが、煽り散らかして警察に連れて行くか、お金を渡して観察するか、迷った末にバス賃500円を「貸して」あげることにしました。
元より「金を貸す時はあげたと思え」と教えられて育った人間なので、500円で人間観察できるなら安いものです。
老婦人はきょどきょどしながら、卑屈な笑顔で何度も礼を言っていました。
「気をつけて帰ってね」と言う私に、にたあ、と笑ったその口の中には、歯が一本もありませんでした。
なぜかその時に、井上陽水の歌が脳裏をよぎりました。
ゆかにたおれたろうばがわらう……多分、その歌の老婆も口の中は虚無のような暗黒なのではないかとふと感じたのです。
同情・炎上商法などの詐欺行為で人の気を惹こうという人間の末路は、虚無しか残らないのかもしれないな、と思うのでありました。
あ、歯と頭が痛くて可哀相な私の私怨まみれの新作詩集、読んでくださ~~い。
ね?ね?おねがああああい。笑
【星々の糸】
https://kakuyomu.jp/works/16818023214044983629