『転生したら戦国薬師だった件』も、気がつけば少しずつ話数が増えてきました。
書き始めたときは、正直、2話くらいで挫折して、ここまで続くとは思ってもいませんでした(笑)。
実は、小説界隈の知識がほぼ0の状態で始めたので、タイトルも、深く考えずにそれっぽい名前を付けていました。実は無双系を想像しがちなタイトルだったと、恥ずかしながら今更気づいて少し焦っている次第です……。
タイトルの変更も少し考えたのですが、何か語呂も良いし、このまま行きたい気持ちもあるので、変えずに近況で補足したいと思います。
最近あらためて、この作品でどんな物語を書きたいのか考える機会がありました。
まず、一言で言うと、この作品は、現代知識で戦国時代を無双する物語ではありません。
主人公の信之は薬剤師ですが、戦国時代には現代の薬も、器具も、病院もありません。知識はあっても、それを実現する手段が無い状態ですから、極端に言えば、ひ弱なただの青年、という開始位置になります。
対して、戦国時代の人々は、それぞれその時代の知識や経験を持って生きています。
そんな中で信之が悩んだり、失敗したり、その時代の人たちに助けてもらったりしながら、今あるもので何ができるのかを考えていく。
そして事件だけではなく、那智・熊野での暮らしや人々との交流、千代との関係が少しずつ変わっていく様子を、のんびり描いていきたいと思っています。
戦国時代が舞台ですが、時々クスっと笑いながら、できるだけ読んでいて温かい気持ちになるような話にしたいので、あまり殺伐とした物語にはしたくないと思っています。
そのため、根っからの悪役を登場させたり、主人公を持ち上げるために誰かを必要以上に悪く、愚かに描いたりすることは、できるだけ避けています。暴力やグロテスクな表現についても極力抑え、今のところはレーティングの指定がつかない程度を目指しています。
(恋愛要素だけは、二人の親密さを表現するために、今後もしかしたら変更するかもしれませんが……笑)
たぶん、かなり牧歌的な戦国転生ものです。
テンポよく事件が続く物語や、現代知識による無双を期待すると、「思っていたのと違う」と感じるかもしれません。
逆に、戦国時代の日常や人との関わりをゆっくり眺めながら、ときどき薬剤師らしい話が出てきて、少しずつ四百年前の謎がつながっていく――そんな物語が好きな方には、のんびりお付き合いいただければ嬉しいです。
これからも、信之と千代たちをよろしくお願いします。