• 恋愛
  • 現代ファンタジー

〈森と白花、君との約束〉完結しました。

 全七話。拙い所も曖昧な所も多かったと思いますが、読んでくださった方、評価してくださった方、ありがとうございました。

 この先はあとがきのような独り言です。どこに置けばいいか分からなかったのでここに書きます。「知らんわそんなもん」とスルーして問題ありません。












あとがき

 一葉とカソウという二人のキャラクターを創ったのは、私がちょうどカソウと同じくらいの年齢の頃です。とても長い間、一つの〈物語〉にできずに姿と名前を書き留めたスケッチブックごと、他のキャラクター達のようにしまいこんでいました。

 そして時間が経って、ある時ふとパズルのピースが嵌ったように、『この形ならどうだろう』と書き始める道筋が浮かび、こうして〝七日間の物語〟という書き方をする事にしました。思いつくまでが長い。

 ところが、彼らの語る背景は夏、それも七月半ばですから、間に合うようにと春に書き始めたのに、夏が過ぎ、秋も、冬まで過ぎ、更にまた一年過ぎ、次の夏にようやく二日目が書き終わるくらいには、彼らは動いてくれませんでした。二人共独特な時間感覚というか、マイペースというか、のんびりというか……。

 そんな感じでまた夏が過ぎ、また来年を待つ他無いか、と半ば諦めた残暑の九月。三日目のページを半分過ぎたあたりから、突然二人は動きだしました。今まで名残惜しんでいたのを吹っ切ったように。

 一気に語り出されるし、知らない設定や世界観は出てくるし、創った覚えもなかったカソウの父も出るし、メモしてあった設定を語らなかったりするし。

 見ている景色、語りたい感情だけ作者に叩きつけて、必死で追いかけて書き留めるこちらなんて、振り返る事も無く物語のその先へ駆けて行ってしまった。そんな彼らに呆れながらも、振り回されるのはとても楽しかった。

 書き終わった後に見直した際、解説を入れるか迷いました。彼らは明確な言葉をほとんど使いませんでしたし、作者がメモした設定くらい後付けすべきだろうか、と。

 けれど結局、それは無粋というか、彼らが創った空気を壊さない術が思いつかなかったので、止めました。朧気な言葉の余白は、読んでくださった方の想像に任せるのもいいかな、と。

 書き終わって思うのは、達成感と、寂しさと、嬉しさと。拙くも書き上がったのは嬉しいけれど、ずっと長く心に居てくれたキャラクターが〈物語〉になり、もう続きを書く事も無いのだろうと思うと、やはり喪失感のようなものがあります。

 彼らを書けてよかった。彼らの語る世界を見れて嬉しかった。……できれば、この子達の〈物語〉を見つけてくれた誰かの心に、何か届くものがありますように。

 つらつらと語ってしまいましたが、見つけて読んでくださった方への感謝を改めて。
 ありがとうございました。どうか、いつかまた逢えますように。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する