カクヨムから知り合った皆さまは、はじめまして。
ツイッターで交流している皆さまは、こんにちは。
ねむい眠子と申します。
先日、12/10に初の投稿作である「次郎長桜、仇に咲く」が完結いたしました。
構想から完結までに約3年かけた初の長編作品であり、2023/5/21に開催された「文学フリマ東京」にて頒布を行った作品です。
気づけば初めて世に送り出してから、半年以上も経っていたのですね。
歳月の早さに気絶しそうですが、当時の後書きとスペシャルサンクスを再掲いたします。
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瀧桜閣という剣客のヤクザが顔を見せたのは、今から三年前の冬である。
黒い着流しに赤い帯を巻いたこの男は、いつもタールの重い煙草を吸って競馬新聞を広げていた。口数が少ないにも関わらず、彼はわたしの心にドッシリと居座った。寡黙な男だが、三年ほど頭の中で付き合っていると少しずつ分かったことがある。彼は過去に対しての引け目があり、過剰なまでに我慢強かった。
彼の過去を詮索するのは、たいそう根気のいる作業だったが、わたしは瀧桜閣を理解したかった。なぜ彼は罪もない人を殺し、敬愛する組長から息子を奪ってしまったのか。そこまで手を汚したにもかかわらず、赤ん坊の命を見逃したのか。地続きの断片を一つ一つ拾い上げていくうちに、わたしは本作の執筆に至った。
本作の執筆にあたり、多大な影響を受けた作品を二つ紹介する。瀧桜閣のパーソナリティを決定づけたのは、漫画『骸区(ガラク)(作 鈴木祐斗)』である。見事な居合で老人が悪を斬り伏せていくこの作品は、瀧桜閣との邂逅を早めてくれたきっかけになった。
また瀧の師父である鷺山は息子の因羽に対し、とある問いかけをする。この問いかけは、映画『さらば愛しき人よ(作 原田眞人)』のオマージュである。影響を与えた作品はまだまだたくさんあるものの、字数の関係もあるので割愛します。
最後はささやかながら、謝辞で締めくくりたい。
サークル活動に参加してくれたじょにきへ。完結するかも分からないネタを真剣に聞き、自分でも書いてみたいと言ってくれてありがとう。今後も人外魔境の伏魔殿である魔法少女シリーズを書いていきましょう。
素敵な表紙を担当してくれたレギちゃんへ。本作を書いている時からずっと、脳内の挿絵は全部あなたの絵で再生されていました。快く表紙を引き受けてくれてありがとう。
創作仲間としていつも設定を聞いてくれるはやぽんさんへ。ビターエンドを投げつけた時にいい反応を返してくれてありがとう。今後も巻き込むと思います。
最後に今まで創作に携わってくれた方々へ。時間は掛かったものの、完結できたのは皆さんのおかげである。
願わくば本作を読んで、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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スペシャルサンクス
下記のキャラクターは、設定や人物像を拝借しました。
【レギンスさんより】
・中島心貴
・中島シキ
・アンブロス・ファーレンハイト
【ものがなさんより】
・蜂蜜色の髪をした青年
【じょにきより】
・死門
・ワークショップ
・バッドボーイズパートナー
・遊久良ミサキ及びスローナイト・ヴギ
・平こころ
・柳サラ
・輪島佐銀
(敬称略)
ご協力いただき、ありがとうございました。
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本作の支えとなったのは、設定やキャラ造形に助力して頂いた方や読者の方々であると改めて実感いたしました。
魔法少女と怪人との戦いを、さまざまな視点から綴ることができればと考えております。
願わくばわたしの作品を通じて、楽しい時間を過ごしていただけたら嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回作でもよろしくお願いいたします。