『かけがえのない時間 後』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885199021/episodes/16818023212795123588 他人と協力してなにかをするとき、全員がベストを尽くすというのは大変難しいことです。学業でも仕事でも、ゲームでも、なんでもそうだと思います。
身も蓋もないことを言えば、能力の高い人は、能力の低い人に対して「なぜできないのか」と思ってしまうことがありますし、能力の低い人は、自分の能力の低さゆえに苦しみます。どちらも体験したことがある、という人も多いのではないでしょうか。
エンタメなのでオブラートに包んではいますが、それでも今回レグルスが直面した先輩たちの傲慢と卑屈について書くのは大変でした。イレーナとフランツがクソだとかカスだとか言われてしまうのは「他人にやさしくないから」であって、フランツが悩んでいた「才能の有無」はまったく関係ないのだ、ということを徹底したつもりです。
どうやったらフランツが立ち直れるのか考えて、『初心』というキーワードが出てきたときには、これだ! と思うと同時に、自分も初心を忘れないようにしよう……と思いました。創作は楽しいからやっているのであって、誰かとくらべるためにやっているのではないんだよなあ、と。
次回更新からは第一章のクライマックス、チャリティーストーリア本番です。