『小説に使える国際社会の闇知識』は、もともと『小説に使える裏社会知識』の一つの章として書いていたものを、内容的に裏社会とは少し離れてきているなと感じて、別エッセイとして切り離したものです。
ですので、書きためていたものは全てあげてしまったので、一応これで完結です。
とはいえ、また書きたいと思うネタが出てくる可能性はあるので、『完結』にはせず、『更新中』のままにしておきます。
しばらくしたら、また、ぽろぽろっと更新するかもしれません。
『裏社会知識』と比べると、『国際社会の闇知識』の方は内容的に難しいものも多々ありましたが、一話でも読んでいただけた方、すべてを読んでいただけた方、本当にありがとうございます。
ニュースを見聞きしたり、小説を考えたりするネタや助けになれば幸いです。
特に、パナマ文章の回は、分かりにくかったかもしれません。あの回は、何度も何度も書き直しました。
実は、参照した本の冊数はあの話が一番多いです。大きな本屋の棚に置いてあるパナマ文書関連の本を全部買ってきてぶちこみました。
(各国や日本の対策、国際的な取組みの部分は、たぶん読み物として読んでも面白くないかなぁと思ってかなり端折りましたが)
パナマ文書は、これ単独の事象ではなくて、もう何年も前から始まって、リーマンショック以降さらに加速している「オフショア取引を使った節税・脱税・資金洗浄」と「国際社会」の戦いの中での一幕にしか過ぎません。
タックスヘイブンを使ったオフショア取引やテロ資金を取り締まるために、金融機関や関連国の報告義務を強化したら、実はサブプライムローンで流れていた金の大半がオフショア取引を使ったものだったために、金の流れが止まってしまってあのリーマンショックの引き金になった……なんていう話もあるくらいで。
そのリーマンショックが原因で、世界的な経済の停滞が起きて、いまだその影響が続いています。
リーマンショック以降、それまでの経済学や経済政策論の常識だった政策手法も効果が出ない経済停滞状態が続いて、学者や政治家たちも頭を抱えている状態です。
そんな世界を覆いつくす大きな問題の一端が、あのパナマ文書だったわけです。
ほかのテロリストの話にしろ、内戦の話にしろ、パナマ文書の話にしろ。
どれも、実は私たちの実生活と決して無関係ではない、遠い世界の話ではない……ってことを感じていただけたら嬉しいな、なんて思ってます。