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変われるかなと思った

『近未来』は作品の中でも書いたのですが、私が変わるための作業でした。変わることが出来れば賞なんてどうでも良いんじゃないかって……そう思ってやったのですが、結局変わらない/変われない自分がここに居るだけ、というように痛切に感じさせられました。これだけ頑張ってこの程度かよ、という。

現時点では未完なものなので完成させたいのです。河野多恵子さんの言葉で小説を書くことは赤子を出産するようなもの、というのがあったと記憶しているのですが、死産だけは避けたいのです。ではどうしたら良いのか。それは一向に見えません。作品にだけはきちんとそれに相応しい場所を与えてあげたいです。

スコット・フィッツジェラルドの「崩壊」という作品で、グランドキャニオンが崩壊している時、それは貴方が崩壊しているのではなく現実のグランドキャニオンが崩壊しているのだ、という台詞が出て来ます。この箇所を(丹生谷貴志さんの本で読んだので原典には当たってないのですが)読んだ時は全然ピンと来なかったけど、今はなんとなく分かるように思います。私が戦ってるものは世界ではなく、その世界を思い込みによって支配している自分自身なんじゃないかなって……。

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