虫人族の登場人物には、全員に姓がついている。
理由は彼らの生態にある。
対になる種族と言えば、エルフやダークエルフである。彼らにとっての最も大切な親は自然である。だからこそファミリーネームをもつ必要がなく、姓がない。(以前投稿したフレーバーテキスト参照)
虫人族は逆である。
彼らは人型の文化と言語をもつ種族にしては珍しい卵生である。他の卵生の種族としては魚人族(マーフォーク)がいる。
卵生の特徴は多産である。ただし、多産だからといってその全てが大人になるわけではない。体が頑丈に育つ遺伝を引き継いだものだけが幼少時に病気にかからず、成人することが出来る。
残酷かもしれないが、子孫に弱い遺伝子を残さないためにも必要な選別である。
そのため生まれた時は多くの兄弟がいるが、大人になるころにはその兄弟のほとんどが亡くなっている。兄弟の分まで生きて子孫を残すことを至上の命題として背負わなければいけないので、ファミリーネームが重要視されるのだ。
虫人族にとって生き残ることとは、そのまま一族の命運を託されることと同義となる。