表題の件、改稿作業を完了しました。多少は見やすくなっていると思います。
次は第6章あたりの整理を行いたいと思います。ご迷惑おかけしました。
作中一の壮絶な過去を持つ聖女イーリスのイメージです。
第2章:第11話:聖女の診療所と歪んだ勇者の狂宴より抜粋。
ザルツの喧騒から一歩離れた路地裏。
古びた教会の隣に位置する小さな診療所の前には、朝から貧民たちの長い列ができていた。
その列を、光を一切反射しない漆黒の装束を纏った少女が、荒々しく押し退けて突き進む。
彼女の腕の中には、胸を赤く染め、ぐったりと力なく首を垂らした金髪の少年が抱えられていた。
「先生……! お願い、どうか、この子を助けて……っ!」
診療所の主、薄い赤紫色の髪を揺らした麗人――イーリスは、飛び込んできた少女の瞳の奥に、不気味に明滅する「赤い光」を視て、一瞬だけ身体を強張らせた。
それは彼女の古い記憶にある、根源的な恐怖を呼び起こす「何か」の気配。
しかし、泣き出しそうな少女の必死な訴えに、イーリスは即座に表情を引き締めた。
「……みんな、すまないが、今日の診察はもうおしまいだ。急患が入った」