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お礼のお題掌編を近況ノートで連載します

いつもサポート、コメント、ハート、フォロー、ありがとうございます!
大変励みになっています。

新作の開始まで、もう少しかかりそうなので、短編とも言えないようなお話を置いておこうと思います。

・ボディーガードとスキャンダル歌手
・カタブツ女領主と冷血令嬢
・震える横顔

から主人公たちに出張してもらっています。
楽しんでいただけたら幸いです!

次回から本格的にお題をこなします。
こいうお題も見たい!などあったら、コメントください!

少しでも皆さんの百合分補給になりますように。
なってたら、コメントやいいねなど反応いただけると嬉しいです!


※※※

『以下のお題から3つをこなしなさい』

だーれだ、と言って1に手で目隠しをする2 直ぐに答えようか焦らして楽しもうか迷っている1

2と繋いだ手を二度と離したくないと思い手に力が入ってしまう1 その手を優しく握り返す2

2を手に入れて幸福そうに微笑む1 ほろ苦く笑い返す2

サンドイッチを作るために忙しく食材を切り分ける2 具を挟むお手伝いを慎重に頑張っている1

1が好きって言う度に2も好きって返すよ。 幸せだね



◯琥珀とザクロ

紙を渡されたザクロと、それを隣で覗き込む琥珀。
琥珀の長い金髪が少しザクロにかかる。
動じないザクロがこちらを見る。

「これを、やれと?」
「まぁまぁ、クライアントの言うことは聞くものよ。ザクロ」

気難しそうに唇をへの字にしたザクロに、琥珀は紙を指でつまむと楽しそうに口角を上げる。
やる気の琥珀に対して、ザクロはカジュアルなスーツで腕を組んだ。

「歌手のあなたにとってはそうでしょうけど」

ザクロは眉間に皺を寄せる。
琥珀は楽しそうに微笑み、唇に指を当てた。

「いいじゃない。楽しそうだし」
「このうち3つとか……悪夢だ」

誰が1で、誰が2か。
ザクロは米神に手をあてて、頭を振った。


◯アシュタルテとライラ

ライラは執務室に入ってきたアシュタルテに紙を差し出した。
相変わらず、外に行ってきたとは思えない綺麗な姿だ。

「なぁに、これ」
「えーっと、連載が止まっている間に、してほしいこと……だって」

ライラは苦笑して、口の前で手を組んだ。
内容に目を通したアシュタルテが、片眉を上げて、ライラと紙を交互に見る。

「これをするの? 誰が? まさか、私たちでしなさいと?」
「あはは……たぶん、そのまさかだね」
「なんてこと」

アシュタルテは頭痛を抑えるように額に指を当てた。
ライラは苦笑を諦めの笑顔に変えながら肩を落とす。
しなければならならいことが領主にはあるものだ。
こういう場面を想像していたわけではないけど。

「恥ずかしいけど、頑張ろう!」
「あなたって、ほんと、真面目ね」

覚悟を決めて拳を握ったライラにアシュタルテは、少しだけ愛しそうに口元を緩めた。


◯ツバサと悠里

大学に入ってから一緒に住み始めた家のテーブルに紙が置かれている。
紙を見たまま動かない悠里に、ツバサは声をかけた。

「えっと、悠里?」
「何かしら?」

こちらを見る顔は、ここしばらく見なかったくらい冷たい。
ツバサは首を傾げて悠里を見る。

「もしかして、怒ってる?」
「怒ってないわよ」
(いや、怒ってるよね……)

語気に滲む感情にツバサは苦笑をもらした。
悠里はわずかに顔をそらすと、少しだけ唇を尖らせる。

「別にあなたと、このお題をするのは、なんら問題ないのよ」
「うん?」

ツバサはさらに首の角度を深くする。
悠里はさらに話を続けた。

「問題は、可愛かったり、カッコよかったりするツバサが見られることよ」
「うーん……悠里、ちょっと待ってね」
「何かしら?」

話を止められてキョトンとした悠里に、ツバサは片方の掌を出し、ストップをかけた。
赤い頬を隠すように両手を当てる。

「うん、すでに恥ずかしいんだよ。わたし」
「……どこが?」
「悠里はこれだから」

このお題をすることが怖くなったツバサだった。

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