※こちらのノートは最新話のあとがきと同様の内容となっています。
投稿中の『百从(ひゃくじゅう)のエデン』ですが、本日の更新をもちまして第五章である「嘴人と鱗人篇」の完結を迎えることができました。
念願だった鳥類と爬虫類をモチーフにしたキャラクターたちの物語を描くことができ、感無量の思いを噛み締めています。
累計110万文字を突破した本作、物語はようやく折り返しを迎えたところあたりです。
初めての小説執筆と投稿は戸惑いの連続でしたが、どうにかこうにか、やっとこさっとこ書き続けてきた二年間でした。
ここから続く第六章、第七章のプロットは完成しており、さらに先の八章、九章、十章、物語の結末である終章の構想も明確に浮かんでいます。
ですがこれより先、物語は佳境に突入していき、ここに至るまでに張り巡らせていた数多くの伏線を回収し、ひそかに打っておいた布石を生かしながら進めるフェーズに入ります。
加えて第六章は、過去最大数の登場人物が入れ代わり立ち代わり入り乱れるお話で、文字数も35万文字ほどに達する見込みです。
これまでのように執筆しながら投稿という形式では、物語の進行、展開、設定などに重大な齟齬を生じさせかねません。
そこで物語を不具合なく進めるため、まずはプロットに従って最後まで本文を書き上げてしまおうと思います。
粗稿が完成したのち、改めて全文を清書し、そこから一話一話推敲しながら投稿を行う予定です。
なにぶん長いお話になりますので、書き上げるまでにどのくらいの時間を必要とするのかは皆目見当が付きません。
半年か一年か、もしかするとそれ以上の期間が空いてしまう可能性も多分にあります。
それから私事で恐縮なのですが、ここまで一心不乱に、なりふり構わず、何かに突き動かされるように書き続けてきたため、作者の体にもちょっぴりガタがきています。
少しだけ、ほんの少しだけ、お休みを頂戴します。
もちろんここで断筆しようというわけではなく、あくまで休筆です。
——と言いつつ明日になれば筆を握っているかもしれませんが、これまでのようなハイペースで書くことは、もう難しいのかもしれません。
失われた半身を求める少年の旅は、110万文字を迎えてようやく道半ば。
三人の少女を旅の仲間に加え、幾多の出会いと別れを経験し、少しずつ「人」になってきたのではないでしょうか。
『百从のエデン』は第五章をもって「第一部」の結びとし、ここで差し当たっての区切りとして「完結」の形を取らせていただきます。
ここまでお付き合いくださった皆さまにおかれましては、差し支えなければブックマークをお外しにならず、来たる再開の時をお待ちいただければ幸いです。
新たに本作を見つけてくださった未来の読者さま、これを読んで残念に思わせてしまったならごめんなさい。
『百从のエデン』は「私自身が本当に面白いと胸を張って言える物語が作りたい」、そして「百人に一人の同じ好きを共有できる誰かに読んでもらいたい」と一念発起して書き始めたお話です。
その思いについては、投稿から二年を経た今でも一切変わっておりません。
冒頭ひと文字目を書いた日の興奮、アイディアは浮かぶのに書くことができなくて眠れなかった夜の苦悩、初めてウェブ上にアップした時の緊張、ブックマークが「1」になった瞬間の感動など、創作にまつわるすべての喜びを忘れることなく、必ず最後の一文まで書き切ることをお約束いたします。
それでは再会の日まで、少しばかりのお別れです。
感想や評価などいただければ作者冥利に尽きます。
ひと言お声を聞かせてくださると、とてもとても幸せです。
本当に、ありがとうございました。
またお目にかかれる日を楽しみにしております。
2024年10月6日、世界動物の日——の次の次の日に。
葦田野 佑(あしたの たすく)