こんにちは、葦田野佑です。
2023年も残すところ数時間となりました。
年末のごあいさつをさせていただきたく存じます。
まずは『百从(ひゃくじゅう)のエデン』をお読みいただいております読者の皆さまに感謝を申し上げます。
本当に本当に、ありがとうございます。
続いてこの場を借りまして、本作の登場人物のモチーフにさせてもらっている動物たちにも特別な感謝を伝えたく思います。
いつの時代も動物は私たち人間の興味を引く魅力的な存在で、多くの芸術や文学に創造性を与えてくれています。
そんな動物たちを主題にしてお話を書こうと思ったときから、決して忘れてはならないと自らに言い聞かせ続けたのは、彼らが同じ地球に暮らす隣人であるという認識です。
愛すべき友人と呼ぶには少しばかり距離が遠く、まったくの他人と呼ぶにはあまりに近いのが動物たちです。
もちろん動物たちをかけがえのない家族としてお迎えになっている皆さまもいると思います。
ですがそんな関係性の中でも、どこかで完全に相いれない存在であることを心に留めておく必要があるのではないかと私は考えています。
「一緒に暮らして本当に幸せですか?」「お腹はいっぱいになりましたか?」「痛いところはないですか?」「私のことをどう思っていますか?」
言葉によるコミュニケーションが通じないと知ってなお繰り返し問い続け、どれだけ尋ねても返ってこない答えに耳を傾け続ける中で共生していくのが、動物たちとの生活なのだと思います。
同じ人間という間柄でさえ齟齬が生じてしまうのに、生態も形態も異なる生物同士が意思疎通を図るのはとても困難なことです。
——もしも動物たちと言葉を交わせたら、もう少しだけ近い距離にあれたなら。
『百从(ひゃくじゅう)のエデン』は、そんな思いを込めて書き続けているお話です。
詳細は本編最終篇の大きなネタばらしになってしまうのでまだ明かせませんが、この『百从(ひゃくじゅう)』という造語には、作者がこのお話に込めた思いが存分に含まれています。
読者の皆さまにはいわゆる「タイトル回収」の瞬間まで、末永くお付き合いいただければと願うばかりです。
大好きな動物たちをテーマにお話が書けることが、私の何よりの幸せです。
手軽さや流行とは無縁の自己満足極まりない作品ですが、最後まで読み続けていただければ、必ずや満足していただけると自負しております。
読み終えた際には、きっと大きなカタルシスを感じていただけるであろうこともお約束いたします。
このお話をきっかけにして登場人物のモチーフにした動物たちに興味を持っていただけたなら、それもまた無上の喜びです。
ただ今鋭意執筆中であり、一月中には第五章「嘴人(はしびと)と鱗人(うろこびと)篇」の投稿を再開できる見込みです。
続く第六章、第七章のプロットも完成しているため、このまま立ち止まることなく書き続けて参ります。
2024年も読者の皆さまに楽しんでいただけるよう、一文一文大切に執筆していく所存です。
それでは皆さま、よいお年をお迎えください。
書き納めと言いつつ年の変わる瞬間まで筆を握り、そのままなし崩し的書き初めに突入しているであろう葦田野佑でした。