• 現代ドラマ
  • SF

第七回こむら川小説大賞参加作品「砂に輝く君、繋がる希望」について

 第七回こむら川小説大賞の結果・講評が出ましたので拙作「砂に輝く君、繋がる希望」について自作語りをしようと思います。
 
 まずは参加された皆様、評議員の皆様お疲れ様でした。参加作品の238と、今年も凄いお祭りに参加出来て楽しかったです。

 今年のお題は「光」でしたが、正直ネタを出すのが苦しかったです。実は去年や一昨年みたいに、人間社会に溶け込んだ怪異という方向で河童をネタにぼんやり考えていたのですが(そのために遠野物語とか読んでました)、お題とマッチせずに断念しました。お題発表からしばらくは人魂がぼわーっと目の前を浮かぶばかりで、全然物語の形にならなかったです。
 苦しんだ末に、推し→「光」→現在進行形で自分がどハマりしている「競馬」という具合に、ネタを捻り出しました。書きながらこれは半分エッセイではと思いつつ、程良く脚色を加えて、物語にした次第です。

 講評にあるとおり「光」のお題の回収、扱いが弱いという指摘はぐうの音も出ません。上記の経過もあり、「競馬の悲喜交々」が主になっておりました。
 ただ、競馬を知らない人でも楽しめるような作品にするという目標は達成できたかなと思います。

 「競馬」を題材にすると決めたとき、「光」がお題だけど綺麗なだけの物語にはしないという方向性をまず決めました。競馬はギャンブルであり、綺麗事だけでは済まない世界だということを避けては誠実ではありません。一方で、競馬をスポーツ競技として楽しむ人や、馬や騎手の一ファンとして楽しむ人もいるのも事実です。こういう様々な人や、楽しみ方があるというところも表現したかったポイントでした。

 ここからは作中の人物やエピソードについて少し補足や解説をしていきます。
 主人公のトダさんは、ギャンブル沼にどっぷり浸かっており、生活費の大半を競馬に注ぎ込みます。ただ、推し馬を応援するような一面もあったり、借金をしたりせず、プラスになっているタカシマに金をたからないような、どうしようもないけど、一線だけは越えない存在にしました。実際、競馬にハマっている人の多くはこんな按配だと思います。作中後もトダさんは全く懲りることなく、毎週のように競馬場に通っていることでしょう。
 タカシマくんは、トダさんとは対照的に誰が見ても「良い人」にしようと思いました。馬を可愛いと思ったり、ギャンブル沼にどっぷりのトダさんに呆れつつも否定しないし、一緒に喜んでくれる。作中後のタカシマくんは、トダさんの狙いとは裏腹に、ギャンブル沼にはハマりません。しかし、トダさんに誘われたときは、一緒に競馬場に行っています。そして堅実に少額だけ買うので、なんだかんだ毎回プラスになります。人間が出来ている人は運も良いのです。

 作中最初の野次をする爺さんですが、あれは競馬が金が絡むギャンブルだということを強調する目的で登場してもらいました。ちなみに、実際に大井競馬場で同様の言動をする爺さんを目撃しています。思わずマジかよって言葉が出ました。
 次のレイトウミカン号とランニングニャーさんですが、競馬をする人が馬のどういう部分に着目しているかという部分と、レイトウミカン号を気にいるタカシマくんを通して、競馬を好きになるきっかけはどこでも良いという部分を表現したかった感じです。
 そしてラルキーの返し馬の時に、ヨシナリ騎手に声援を送る少年ですが、これは読者もトダさんも、お金のことは置いておいてラルキーの走りに集中して欲しいなという狙いでいれました。ちなみにこの少年も実際に大井競馬場で目撃しており、心が洗われた経験があります。

 ラルキーの走りについては、実際に観戦したレースを元に描写していますが、展開などはわかりやすく脚色しております。
 感想や講評を読む限り、レースの熱さを伝えることが出来たかなと思います。

 ここからは元ネタを列記しますね。
 
・スンダルラルキー号
 私が去年から推しているラムリケティ号をモデルにしています。ラムリケティはネパール語で可愛い女の子という意味。ネパールのお隣インドで使われているヒンドゥー語にした次第です。

・トダさん
 私が応援している戸崎騎手から一文字取りました。性格は全然違うと思います。
 
・タカシマくん
 戸崎騎手の盟友、真島調教師から一文字取りました。

・レイトウミカン号
 コタツデミカン号というお馬さんが大井で走ってます。戦績は違いますが、オレンジ色の派手なメンコを付けております。

・ランニングニャーさん
 サイレントニャー号というお馬さんが大井で走ってます。『にゃ〜』と書かれたメンコを付けており、SNSで少し話題になっています。

・ササノ騎手
 大井のトップジョッキーである笹川騎手と矢野騎手から一文字取りました。

・ヨシナリ騎手
 ラムリケティ号の主戦騎手である吉井騎手から一文字取りました。大井の若手で応援している騎手でもあります。

 ひとまず以上になります。また何かしゃべりたくなったら、ツイートなりなんなりしますね。
 次回のこむら川も是非参加したいですね。今回はネタ出しに苦労したので、インプットを増やしていきたいなと思いました。とりあえず、講評と参加作品を読んで行こうと思います。
 


 

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する