『星の彼方 絆の果て』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886681016を再公開するに当たって、Twitterで宣伝を兼ねてこんなハッシュタグで遊んでました。
そこそこ書き出したので、せっかくなので近況ノートにまとめてみます。
①『星の彼方 絆の果て』って最初は銀英伝みたいな宇宙艦隊もののつもりでした。名将知将同士の智謀がぶつかる!みたいな。でも別に宇宙でやんなくてもいーじゃんとなり、宇宙である必然性を考えている内に全く別のお話になったのです。
②でも宇宙規模のお話はやりたかった。で考えたのが、宇宙規模でテレパシーで繋がる集団。謎の星に降り立った人類がテレパシーに汚染され広がっていく。対決する人類!みたいな。しかしこれだと集団が強すぎて人類が勝つ絵が描けずに没。今振り返るとちょっとホラーちっく。
③②案は最後、人類全体がテレパシー集団に冒されて、唯一テレパシーを受け付けない女性が一人残されてエンド、という形も考えました。実はこの時から第五部の主人公ウールディ、ファナ、ユタの三人の名前はずーっと引きずってます。
④テレパシーに際限がないと敵が強すぎる。と思ってたところに、どこぞで「ワープよりも恒星間距離通信の方が難しい」という記事を拝読。これイケるじゃん!テレパシーの距離に制限かければいいじゃん!
⑤今となっては本当にそんな記事があったのか怪しい。私の妄想が生み出したような気さえします。とはいえこの「テレパシーは強力だが距離に制限がある」という条件は、『星の彼方 絆の果て』の根幹になります。とはいえこの距離制限も、最初は「人類社会の半分ぐらいまで」という巨大なものでした。
⑥そして③でも言った通り登場人物は第五部が中心。第五部の人物だけによるお話で考えてたんです。ラセンとヴァネットがファナとユタの双子を拾い上げる。双子がテレパシーで繋がってるのも同じ。で、ラセンが敵のテレパシーに冒された星を訪れるも、彼は敵に染まらず独自のテレパシーに目覚める。
⑦強力なテレパシーを持つ謎の敵(=スタージアン)に触れて、ラセンも似たような力に覚醒する、という形でした。で途中ヴァネットを失って暴走するラセンも周囲の人を繋げていき「銀河帝国」を作っちゃうんです。
最終的にスタージアンvs.銀河帝国vs.人類という三つ巴を想定してました。
⑧でも実は銀河帝国はスタージアンの拡大を防ぐ人類にとっての盾の役割を果たしていた。そのこともわからずに人類はラセンを暗殺しちゃって帝国は崩壊。このときの人類側リーダーがルスラン。ラセンとルスランは当初、完全な敵同士でした。そしてファナとユタは帝国と人類側に別れていたという。
⑨で結局帝国という盾を失って人類はスタージアンに侵食されていく。最後は辺境に逃げてたユタとウールディの元にスタージアンの使者が現れ、既にスタージアンに取り込まれたファナの呼びかけに応じてユタは去る。スタージアンと繋がらないウールディは一人ユタの帰りを待つエンド。暗い。暗すぎる。
⑩暗すぎるせいなのか何度プロット詰めようとしても筆が止まるので、⑥~⑨は全部没にしました。ここまでで最も衝撃的なのは、①から数えて多分ン十年かかっているということ。ずーっと考え続けてたわけでもないのですが、たまに思い出しては案を練り、没にする、を繰り返してました。
⑪それでもせっかく生み出したキャラたちをほっぽらかすのはもったいなかった。愛着あるし。設定やストーリーも再利用はいくらでも出来るだろう。そんな感じで寝かせていたところに出会ったのが、小川一水先生の『天冥の標』です。
⑫何百年に渡る宇宙の人類史を描くというスタイルに衝撃を受けました。そこで「そもそもスタージアンが存在する設定を詰めよう」→「各設定を時代ごとにそのまま物語にした人類史にしよう」という流れで今の形になったのです。ちなみにその間、小説そのものは一本も書き上げてません。
⑬没設定とは無関係ですが、個人的に衝撃なのは、ろくに小説とか書いたことなかった私が最終的に70万字超のお話を書き切れたことでしょうか。物書き趣味を始めるのに年齢は関係ないという見本にでもして頂ければ幸いです。
⑭他にも細かい没設定は色々。シンタックとドリーは最後の落ちは逆で考えてたとか、タンドラはもっとギラギラした性格の予定だったとか、モートンは最初もっと端役のつもりだったとか。とはいえさすがに書き切れないのでここまで。お付き合い頂きありがとうございました!
以上、読んだことのない方には意味のわからんまとめですが、それでももしご興味湧きましたら、是非一度お目通し下さい。よろしくお願いします!
『星の彼方 絆の果て』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886681016