ありがたいことにご質問がありまして。
短編集を読んでくださったMさんからです。
「どういう風に短編のアイデアを考えるんですか?」
うーん、それはもう七転八倒ですね。
キツイって30本単位は。
何度頭が真っ白になったことやら分かりませんが、今回の30本をサンプルにネタの出し方をまとめてみましょう。
1. 過去に考えたネタをいじくり回す
「スイッチ」「其は高く、神を超えん」なんかがこれ。
在庫整理、棚卸し大作戦です。
ずーっと考えてたのけどモノにならなかったり、メモだけして放置してたり。
そんなのを今回は強引にネタ元として活用しました。
2. 流行りのキーワードを探してくる
ネタになりそうな「濃い」ワードってありますよね。
イメージを膨らませやすいやつ。
「マスク」「基本無料」なんかがこれですね。
単語から想像を膨らませて話にならないかと頭を捻るわけです。
ショートショートを書く人だと、相反する単語を組み合わせたりしますよね。
ある程度、システマティックにアイデアを出せる手法なのかな。
3. 古典や他作品をベースにする
多用するとマズいのかな。
「私は虎になりたい」「ミノタウロス」「ウーパールーパー」はこれ。
パロディになりやすいです。
元ネタがしっかりしてる分、書くとなれば楽なんですけども。
4. 定番ネタをアレンジ
これなあ。これも多用したくはないですよね。
実は主人公が◯◯、とかです。◯◯はロボだったり、幽霊だったり、息子だったり、猫だったり。
実は◯◯世界、実は時系列が逆、実は真偽が逆、いろいろあります。
「深夜二人」が典型でしょう。
優秀な雛型を利用するとは言え、テンプレ頼みだと手詰まりになってしまう。
5. オカルト
口を開けて舌が乾くのに任せ、宙を見つめて祈ります。
祈る相手は、白ひげの老人でも黒い羊でも何だっていい。
するとですね、アイデアの一つくらい恵んでやろうかと、そうジジイや羊が思うんでしょう。
「道を行く」とか「花咲ける村」とかです。
どうやればこれを再現できるのか全く分からんですね。
たまに夢がネタ元になることも。
とまあ、こんな感じです。
ネタを走り書きしたメモ帳ってのはあります。
あとで見返して利用することもあれば、何のことだか分からなくなることも。
今となっては、「黒手袋の怪人」なんて見つけてもどんな話か想像つかん。
実は令和の世になっても、もっぱら化石のようなガラケーで書いてます。
執筆専用ガラケー。
これの利点は書く場所を選ばないことで、PCの前でも、コーヒーを飲みながらでも、なんなら歩きながらでもいける。
思いついたらすぐ書けるのは楽。
まとめましょうか。
ネタの出し方、私が聞きたいです。
もうほんと短編連打とかしたら、出涸らしになりますよ。
絞ってもヨダレしか出ない。
口開けてるからですね、すみません。
たまに3つ4つと調子よく書けたと思ったら、何日も指が止まってガラケーを見つめるハメになります。
別にガラケーは見て楽しいもんじゃありません。
そんな趣味は無い。
ぽんぽんアイデア出たら楽しいんでしょうけども。
そう上手い話はありませんよねー。
1日1本とか書いてる人は、どうやってるんだ……。