グラディウス=フェンディル=カリュプス(デュランディル曆5985~千年紀41年 享年56)は二人の妻が居た。
一人は魔法文明時代に終焉をもたらしたクラリス=ファルネーゼのむすめにあたるエルフの女性(千年紀1~30以前 諱は傳わっていない)と、幼なじみにして最愛の女性、すぐれた將でもあった【慧武妃】ことイルミニア=ヴェンティア
(シャドウ族、女性 デュランディル曆5987~千年紀35 享年47)である。
イルミニアは戀女房、ファルネーゼ家のエルフは正統性確保を理由とした婚姻であった。
エルフの正后とのあいだに一男一女、イルミニアとのあいだに三女一男を儲けた。
生年順に諸子を列舉する。
①Lumiera ルミエラ (12~50)【人間種】
②Ignica イグニカ (15~67)【人間種】
③Cardina カルディナ (16~60)【人間種】
以上の三人はイルミニアとの間に生まれたむすめで名前の由來はもちろん創世の三劍である。カリュプス【鋼鐵】の字(あざな)を持ち、"鍛鐵大王"とあだ名され鍛治技術を愛したグラディウス王らしい名前のつけかたと言えようか。
エルフの女性が20歲を迎えたあかつきに正后としての儀を終えた後、
④Patricia=amoria=Farnese パトリツィア・アモリア・ファルネーゼ (20~千年紀第四紀【エルフ種】)
彼女は二代王ファビウスの時代に神聖セフィリア王國に嫁ぎ、ファルネーゼ家とフェンディル王家の血脈をセフィリアに傳えた。このことが"戎狄來寇"時代(300~500)の次、神聖セフィリア"帝"國の成立に意味を持ってくる。長命のエルフ種が王家に生まれた場合に持つ特殊な政治的意味はラクシアならではと言えようか。
➄"平王"ファビウス=フェンディル(22~54 在位41~54 享年32 謚:平 "治而無眚"、その治世において天災に見舞われず、戰亂も可能な限り避けたその努力をたたえたもの。【人間種】)
以上がファルネーゼ家のエルフ正后との間に生まれた一男一女である。
最後にイルミニアとの間に、
⑥Leon=Delphoi=polymathēs
"成惠大公"レオン=デルフォイ=ポリュマテス (25~95)【人間種】
がいる。
グラディウス王の養父母の家デルフォイ家を繼承し、ドワーフの女性を妻に迎えた。
自ら臣籍降下を申し出、第二代ファビウス王、第三代フォルトゥヌス、第四代アウレリウスを文治・文化面で支えた。
彼の血統がのちに西フェンディル王國(127~317)につながることになる。