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キャラクターのプロット シアン・アースト


彼は罪を犯した。
最初で最後となった、その世界での罪を。

「脱獄」

それが最初で最後の罪。

勇者で、魔王を打ち倒した10歳の彼は、他の者から危険視された。

幼くして強大な力を与えられた選ばれし者、それは人の身に余りある代物。

他の力なき者には、「それはいつか我々に向けられる恐るべきもの」であると狂信し、彼の力を封じようとした。

彼はなぜ、自分が感謝ではなく恐怖の感情を向けられ、救ったはずの人々から狙われることとなったのかわからず、彼の善性は、自身の力を抑え、人々が落ち着き安寧でいられるのならばと、その身を預けた。

結果として、人々は彼の力を封じることはできなかった。

そのため、何人も逃れることができないとされた魔の牢獄。黒牢、「封絶の砦」へと彼を閉じ込めておくことにしたのだ。


彼は罪を犯していないにもかかわらず、日夜、他の罪人と同じように拷問を受け続けた。強大な力を出させないよう、常に疲弊させておくために。

その間も彼はただ、人々のために耐え続けた。

あるときから、拷問は収まり、拷問を与える人も現れなくなった、疑問に思い彼は閉じ込めていた檻から出る。

脱走のシステムが鳴り見たこともない化け物や機械等を相手にようやく脱出すると…

世界が崩壊していた。


彼の前に天使が舞い降りる。君の力は強大だ。しかし、君自身は完璧な存在ではない…。非常に残念だが、私の世界には、君では足りないのだ。

さらに天使は続ける。

君を消すのは惜しい、それと、私では君を消すことができない。どちらにせよ私の世界には厄介だ…そこで。

君が力を使えないようにする。それならば私でも可能だ。その後、君はこの世界から出て行ってもらう。君に選択権は無い。

無慈悲な宣告だった。有無を言わせず彼の身体を光が包み、彼は気を失う。

気が付いた時には彼は記憶をすべて失い、13歳にして、異世界へと飛ばされていた。

頬をくすぐる草の感触で目を覚まし、起き上がると背の高い草から一人の男の子が現れた。

そこで出会った12歳の少年が、彼の人生のすべてとなった。

幼馴染として成人まで本当の兄弟の様に生きていた、少年の夢であった「冒険に出る」ことに、彼は賛同し、ともに長らく過ごした故郷を離れる。

故郷で学んだ冒険での教え、技術、そして、体に刻まれた戦闘の経験を発揮して冒険を続けていく。

少年が日頃からつけていた日記を時折みては楽しく会話をする。

とあるきっかけで青年が命を落とした。彼は少年の時からの親友を失ったが、魂とともに、青年の最後の願いを叶えるために命を賭した戦いに向かう。

永遠とも感じられる長い、永い時を彼と青年は戦い続ける…。世界をまた崩壊させないために、親友の世界を守るために。

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