(昨年11月に書いたブログを改稿したものです)
小説を書くのはだいぶ久しぶりである。
もともと、小学生の頃にワープロ(と書くと時代が特定されてしまいそうだが)をいじって小説を書き始め、大学を卒業するぐらいまで、ほぼ毎日書いていたように思う。書いていた小説はどうしたかといえば、中学生ぐらいまではパソコンにただ保管するだけで、誰かに見せようとは思わなかった。ちょうどその頃ホームページが流行りだして、友人のサイトに二次創作を載せてもらったり、自分のサイトにオリジナルの詳説を載せたりした。改訂を強制されるなど、いろいろ嫌な目にもあったが、基本的に感想は来ないものだ、と割り切っていたため、特に何も考えていなかったように思う。
その後、就職して創作から距離を置いていたのだが、いろいろと頭に浮かぶものがあった。Twitterで創作をされている方から「頭に浮かぶ妄想は、何かに書いて忘れたほうがいい」とアドバイスを受けて、最初はノートに書いていたのだが、これは小説になりそうだと思い、PCに入力し始めた。
実を言うと、カクヨムにアカウントを作ったのは二度目である。最初、大昔に書いた小説のストック用として置いておいたが、その頃は書きたいという欲求がなく、結局アカウントを削除してしまった。そして、新たな小説投稿サイトをいろいろ調べた。
小説投稿サイトをいろいろ検索してみると、「小説家としてデビューするにはこうだ」とか「感想をもらえる小説はこうだ」とか「ランキングで上位になるには」とか、みんな血眼になっている。絵もそうだ。「Twitterでバズる絵はこうだ」みたいなことを上から目線で言っている人がいる。かなり驚いた。
で、結局それは楽しいのか?と思ってしまう。
小説家としてデビューしたいという方は、そういう惜しみない努力をされればよろしい。世のブームに常に触覚を立て、表現に気を使い、面白い展開になるように書いていく。頑張ってくださいと思う。
しかしながら、私にとって小説を書く行為は楽しみにであり癒やしであり、小説家としてデビューする気はない。そして、ナントカ賞を受賞して賞金がほしいとか、小説のテクニックをあげたいとか、感想がほしいとか、なんとかランキングで1位になりたいとか、そういう欲求もまったくない。だから、小説の展開でこうすればファンが増えるとかわかりやすいとか、というのは全く考えない。繰り返すが、ただ妄想を叩きつけているだけなのである。
だって、そうじゃないか。
「人に見せるために、面白い展開を考えたり」「すごい描写を考えたり」「デビューするために何万字も書いたり」というのは、デビューしたり名声を得たい人が努力すればいい話ではないか、と思うのだ。二次的な欲求ではないかと思う。
人の小説を読んで「紹介してくれれば必ず感想を書きます」とプロフィールに載せている人もいる。おそらく自分の感想がほしいという裏返しなのだろうが、「必ず感想を書く人」が書いた感想ってなんなんだろう?ジーンとくるものなのか?
いろいろ書いたが、まとめると、「小説投稿サイトはあらゆる面で偏重している」ということだ。「異世界転生」に代表されるジャンルがまずそうだし、「デビューしたい、名声を得たい」と血眼になっている人が多いなあ、と思う。
一時期、全部小説を引き上げることも考えたけど、結局、上げる場所がないので、カクヨムに上げている、という程度だ。何か嫌なことがあれば全部引き上げて、また公開せずにただパソコンに保存する生活に戻るんだろうと思う。