お仕事コンテスト、終了。
「吟子」は数日前に完結したけれど、期間ギリギリまで少しでも完成度を上げたく思い、あれこれと加筆修正を行った。
誤字脱字や、語句の細かいミスも修正。
基本的なキャラやストーリーはなんら変わらないけれど、作品のテーマである、清濁飲み込んだ上での自分、その上で夢に挑んでいく、という根幹は変わっていない。
あれこれ修正しているが、エピローグ、吟子が日誌を書き終わったあとのところなど特に加筆した。
興味のある人は読んでくだされば幸いである。
吟子さんは当初、都会の支店に転勤というエンディングも考えていた。
モデルになるために退職するぜ→都会の支店に転勤辞令がくだる→なら退職までせず、とりあえず銀行員しながら都会の生活にひたるか、的な。
どこかギャグっぽく、ズコッとしている。
また、地元のために、神山銀行の銀行員として頑張り続けるぞ、的なエンディングも考えていた。
だけどあれだけ夢だなんだと言っていて、銀行員をやりながらモデルを志望するという安全な橋を渡るのも(フィクションでなく現実ならば大いにアリだが)、あるいは田舎に残るのもなんだかなあという気がするし、なにより執筆していると、吟子はそういう行動をとるキャラではない気がした。
最終的に、田舎のためと自分のために頑張るという決定になったのはいい落としどころだったと思う。
さっぱりしている体育会系、そのくせ恋愛沙汰には純情という吟子さんのキャラは気に入った。
デビュー作「隠岐島千景」の中に出てくる宍道陽南子が近いといえば近いけれど……。
あちらほどエキセントリックではなく、地に足がついた状態で努力する吟子さんは好きである。
都会で椎名くんとイチャつきながらも奮闘する吟子さんもまた良しである。
上京して東京の物価にびびる吟子さん。
地下鉄の沿線の多さと人ごみにイラつく吟子さん。
椎名くんと初めて手を繋いで歩いていたらいつの間にかラブホゾーンに突入して顔を赤くする吟子さん。
ありである。
しかしこの作品、自分はおおいに楽しんで執筆し、なおかつ「五十嵐吟子」の話としては文句なく完結しているのだが、金融もの、銀行もの、お仕事ものとしてはどうだったのだろうか、という気がしなくもない。
角川文庫さんの求める作品だったかと問われると、おおいに首をかしげる。
そんなわけでコンテスト、こちらの選考突破はどうだろうか。厳しいと思う。
弱気もいいところだが、これがいまの本音である。
まあ、とりあえずこのまま1年くらい出しておいて、その後、KDP(電子書籍)にでもしようと思う。
以前カクヨムやなろうにあげていた「松平清康」のように。
今年中には商業でまた本を出す予定。
本決まりではないけれど、現状、みっつほど作品が進行中。
たぶん発売するんじゃないかな。まだ分からないですが。
自分では「よっしゃ原稿これにて完成」となっても、ハイイラストつけます、ハイ出版します、とならないのが商業の難しいところである。
とにかく新作は「吟子」とはまた違う作風だけれども、ブログや近況ノートで報告していく。
そのときはなにとぞ、よろしくお願いします。
ノベルゼロや15センチ短編は出しません。
異世界ものふたつが休載状態なので、まずはこのふたつをやらないといけないですし。
とりあえず休載状態の異世界ものを手がけつつ、商業作品の発売を狙っていく。
なにはともあれ一段落。
「吟子」はこれにて完結。
読んでくださった方々、応援してくださった方々、レビューをしてくださった方々。
すべての方に感謝、感謝なのであります。
皆様、どうもありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。
須崎正太郎