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四十代になって思うこと(エッセーにもならない話)

ある俳優は言った。
「四十代になると急に人生楽になる」
別の俳優(今は鬼籍)は言った。
「二十代、三十代は悩み抜け。そうすれば、道は見つかる」

「お前の特技は悩むことだ」
誰かが私を評してこういった。
私は他人が怖った。
そのくせ、誰かに助けてほしかった。
虐められている現実から抜け出したかった。
同時に慣れない場所への不安もあった。
なるほど、確かにこんな矛盾を抱えた奴を誰が助けようとするのか?
本を読んだ。
医療の本、小説、漫画、時代劇、お経、聖書……
誰も助けてくれないという絶望の穴を私は知識で埋めようとした。
三十代になり、私は精神病を患っていることを知る。
私は混乱の極みに達した。
精神病では知識で治らない。
私は泣き叫んだ。
そこから、スタッフや医師の手厚い看護で私は再び就職できた。

小説はずっと書き続けた。
ただ、出し惜しみをしていた。
『自分には才能があるはずだ』
でも、三十代半ばになり、そんなことはどうでもよくなった。
私には安心できる場所と人がいることを知ったからだ。
私の持てる全てを出したのが『WONDERFUL WONDER WORLD』(ぜひ、レビューや星、感想などをお願いします)であった。
某大賞に出したが今に至るまで音沙汰はない。
(まあ、ライトノベルでもないので。たぶん、今でいうのなら「バイオレンス小説」なのかなぁ?)
でも、後悔はない。

――もう、出し惜しみはしない
最近になり、もう、出し惜しみはしないことにした。
(話を全く練らないというわけではなく、機を逃さないということ)
すると、書くのが今まで以上に楽で楽しくなってきた。

二人の俳優が言っていたのは合っていたのだ。

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