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何もかも憂鬱な夜に、私は筆を執る。

 体調が悪い……とにかく体調が悪い……。

 家に引きこもって療養しようにも、セミの鳴き声は絶えず聴覚過敏の私の脳を揺らして休ませてくれないし、そもそも大学の講義があるから寝ているばかりというわけにもいかない。そう、休んでいる場合ではないのだけど……少しだけでいい、今は休みたい。

 段々と空が暗くなり、うつ病由来の不安や孤独が私の心を着実に蝕む。段々と、関心は外界から私の内側に向いていく。自分の殻に閉じこもる。自我はやがて私の体に見切りをつけ、ここではないどこかへと飛び去って行く。

 そんな、何もかも憂鬱な夜。こんな日は思索が捗る。何もかも憂鬱な夜に、私は筆を執る。

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