題名:四畳半神話大系
著者:森見登美彦
詳細:言わずと知れた森見神の傑作青春小説。大学生の『私』が阿呆な面々と馬鹿騒ぎを繰り広げる伝説の腐れ大学生小説である。
その特徴は森見神特有の独特な地の文だろう。言葉のシャワーを浴びているかのような、心の中を心地よい言葉の一群が通り抜けていくような快感を味わえること請け合いである。
再び内容に戻るのだが、腐り切った大学生活を送る主人公はその生活から脱却しようと空回りを繰り返すのだが、どれも上手くいかないのである。
しかし読んだことのある人ならば、こう思うことだろう。
『ーー自分もこんな大学生活を送ってみたかった』と。
かくいう私もそんな大学生活を夢見て本気で京都大学の受験を考えるも学力不足からあえなく撃沈した。
しかし、それならばと進学した別の大学で無駄に駆け回り、少しでも現実を四畳半にしようと試みたのだが、黒歴史を生産しただけであった。ちなみに、黒歴史を若き日の思い出と語れるのは心臓が鋼でできている人のみである。私の心は鋼ではなかったらしい。
ーーと、こんな風にある純朴な少年の大学生活を丸っと変えてしまうくらいの魔力がこもった小説、一度読んでみてはいかがだろうか。
筆者は自信を持っておすすめする。
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ひとこと:アニメ化もしているため、アニメから入るのもおすすめする。また、アニメでは小説の地の分のリズミカルさがそのまま生きた、浅沼晋太郎さんの長口舌が聞けるので実物である。