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黎明期ネット事件簿の考察

ネタバレ満載なので、作品へのレビューではなく日記という形で書かせていただきます。



この作品の主軸となっているのは「いかにして自由な言論は規制されるに至ったか」である。
ネットで書かれる多くの書き込みには有益な情報もあるが、多くは荒らし的非正規書込である。
それをいかにして排除して有益な情報のやりとりにするか、これが多くのネットコンテンツの課題となる。

その方式としては3つがある。
1:自発的に一人一人のモラルを向上し変な書込を止めさせ、反応もしないようにする
そうだね、食べる量を減らして運動すれば皆ナイスバディだね。

2:書込を何らかの形で管理規制する管理者を設ける
これにはさらに二つの分類があり、
2ー1:AIによる人間によらない管理
NGワードや深層学習による書込み内容の精査による荒らしの決定と規制
2ー2:実体のある人間の管理
少数の管理者およびそのグループが独裁的に荒らしの決定と規制


3:みんなでおかしな書込を投票によって排除する
「いいねが付かない意見の削除」といってもいい。集団の評価によっておかしな書込とその書込主を規制する。

さて、黎明期ネット事件簿の作者はこの内2と3が仮想未来で上手く行かなかった事件を作品としている。

2ー1:AIによる~は、第一章「UNITE騒動」
2ー2:実体のある~は、第二章「wikipedia "Forget-Me-Not" 革命」
3:みんなで投票~が最終章「ホモコースト」である。

特に重要なのが3の「ホモコースト」であり、そのシステムが一部の扇動者により乗っ取られ、近年のリベラルに多くみられる「正しい」へのスタンピードが起きたことを活写している。
故に私は先だってのTwitterの書込みで「背筋が凍り笑えない」と書いた。
何故ならこの全ての失敗の次には解決策4が示されるからだ。

4:もう政府機関が表現することと知ることを管理するしかない

そしてその選択が仮想未来において選ばれ、ホモについて語る自由は回復されたものの作中の「なにがしかの事件」がネットでは語ることが出来ないいびつな世界になったことが描写されている。

近くまた選挙がある。その際何も読まずにただ表題だけ見てリツイートをし、荒らしの意見を広め、4への道を開くことが無いことを祈る。険しくても1の道が開かれんことを。

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