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ニート生活の始まり

ニートになった。理由は毎晩のように過呼吸と不安に襲われるからだ。
決め手となったのは朝からアルバイトがあったある日のことだ。
遅延の多い都心の電車に、私は今日も余裕を持って乗車したはずだった。電車の中ではいつも苦しくなる。バクバクと音を立てる心臓、胃を握りしめられる感覚、呼吸はどんどん浅くなっていく。早く、早くバイト先の最寄り駅についてくれ。私の願いとは裏腹に車内に流れたアナウンスは運行を一時停止するという内容。バイトに間に合わない、迂回するには?ぐるぐると回る思考回路。そして、電車と一緒に私の脳内も停止する。視界がかすんで、今にも泣いてしまいそうになる。扉の開いたたままの車内で、迂回もできなければ帰ることもできないことに気づき、絶望を感じる。着信音。彼氏がたまたま私のいる駅の付近にバイトで来ているとのことだった。ふらふらと電車を降り、改札を出たとき、涙腺は限界を迎え、彼氏の乗る車に乗り込んだ時には大泣きしていた。泣きながら過呼吸になる私の頭の中は、「バイトをやめたい」という気持ちだけが言葉としての形を成していた。落ち着かない気持ちでバイトを欠勤する連絡をした。
私が当欠をするのは初めてではなかった。これ以上迷惑をかけられないと思い、辞めることを伝えた。
そして、8月から始まったニート生活。バイトに向かう彼氏の姿を見ては罪悪感を感じるが、誰かに迷惑をかけるくらいなら、と今日もほぼ一日中布団の中で過ごすのだった。

ps.バイトをやめたら過呼吸になる回数は減りました。頓服のお薬が追加され、家にいても飲んでしまうことがあります。

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