葉霜雁景

　カクヨムでの活動二年目(もう二年経ってたの？？)となる今年は、十万字台の完結長編や短編数作を書き上げることができました。反面、精神が打撃を受けることも多々あり、諸々の活動が窮地に立たされる場面も多かった一年でした。
　自創作の顔は相変わらず『友士灯—ともしび—』で、書きたくて仕方がなかった部分に着手・そこまで進められて嬉しかったのですが、今年の顔な自創作は『夢食いカラスは暁に鳴く』『魅する首シリーズ』でした。

　元々は何かコンテストに出してみたいと書き始めた夢食いカラス/暁鳴でしたが、長編を書く時の姿勢や方法を見直すきっかけも与えてくれる作品となりました。書ける時と書けない時の波がある以上、計画を立てつつ無理なく書いていくことを重視すべきということを、より強く実感させてくれた作品でした。
　完結させられたこと、特に精神の浮き沈みが激しかった今年に書き上げられたことはとても嬉しかったものの、それ以上に悔しい思いもしました。自覚があったのだから、欠点を治しておけば、もっと読む人の五感や感情に訴えかけ、揺すぶることができたかもしれない。これでは登場人物に申し訳ない等々、後悔が色濃く残った作品です。しかしながら、読んでくださった方々からありがたい言葉をかけていただいたり、後悔ゆえになかなか読み返せませんが、それでも読むと愛おしく、悪くないなと感じられて、書いて損はない作品でした。

　魅する首シリーズは、突如自覚した首関連の性癖に、忠実に、勢いよく書き上げていこうとなった短編たちです。最初こそ何を書いているんだかという気持ちもあった短編たちですが、自分の手が届くようような方ではないと思っていた絵師様に、イメージイラストとして絵を依頼する動機となったり、自分では無理だろうなと思っていた同人小説の製本を試みる理由になったりと、思いもしなかった行動をさせてくれた作品となっていました。他の執筆とも見合わせながら、これからも地道に書いていきたいところです。
　他、同人小説書籍の印刷やら何やらを調べていたら一足先にノベルティグッズを製作してしまったり、初参加の文学フリマで既知の方とも初対面の方とも交流できたりと、創作絡みだけど創作以外のことも色々できた年でもありました。他の方との交流は多く深くでき、さらに活力もいただけて、楽しくてしょうがなかったですね。たとえ一時のものだったとしても、繋がった縁を大切に、感謝を忘れずにいきたいところです。

　長くなりましたが、今年も、そして今年から自創作と出会ってくださった皆様、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い致します。良いお年をお迎えください！