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「アクリブル」で振り返る初音ミクの歴史 第1話「初音ミクとDAW」

どうも、sippotanです。
近況ノートが活用できそうなので、不定期になるかもしれませんがコラムを連載していきます。

初稿から1週間、「アクリブル」第1章の公開もけっこう進んでまいりました。
(某所で読まれた方、そして『現物』で読まれた方はごめんなさい)
読まれている方は分かると思いますが、お話は2007年から始まります。なので、物語上の知識ベースも技術ベースも2007年当時のものになるのでご注意ください。

というわけで、今と2007年では全く違うであろうお話、コラム第1話「初音ミクとDAW」をお送りいたします。

作中、主人公は『初音ミク』を買ったはいいが、DAWが無いがために作曲に苦労する、というシーンがあります。DAW、すなわち、デジタル・オーディオ・ワークステーションの略ですが、要は、ドラムやギターの音にシンセサイザー、そしてヴォーカル等をミックスするためのスゴいアプリです。

で、読まれた方の中には「おい、初音ミクにはDAWも付いてきてるだろ!」と突っ込む人もいるでしょう。

実はここ、ものすごいギャップがあるのです。
2021年の今に生きる皆さんが買える初音ミクは『初音ミクV4X』もしくは『初音ミクNT』です。この2つにはボーカルエディッタ「ピアプロスタジオ」と共に、DAWである「PreSonus Studio One Artist」が付いてきます。
つまり、初音ミクさえ買えば作曲の環境は全て揃う……という話です。

ところが、2007年はそうではなかったわけですね……。
高いお金(学割もあるけど)を出して正規にDAWを買うか、USBインターフェースのような別のモノを買って付属のDAWを手に入れるか、当時からフリーで使えたReaperを使うかの限られた選択肢しかなかったのです。
(GarageBandって手もありましたが、当時のVOCALOIDはMac非対応なので現実的ではない)

ライブラリとDAWが別である、という問題は当時から危惧されていて、各社は試行錯誤を重ねていたのですが、他社製品のバンドルとかセット売りに留まる等、いまいちオールインワンの訴求力に欠ける……。
クリプトン製ライブラリにStudio One Artistが付くようになったのは2013年発売の『KAITO V3』から、実に6年後の話です。

次回、コラム第2話「ニコニコ動画とエンコード」

*「アクリブル」 はフィクションです。実在の人物および企業、団体とは一切関係ありません。

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