時任の特性について少し
・和音
エド国の対妖魔専門集団『退魔師』に伝わる技法。
魔法ではなく武術の極意。錬気によって発動する。
生身の身体で妖に対抗するために脳内のリミッターを一時的に外し、潜在的な身体能力を引き出す技。
開放する潜在レベルは、慣れてくればコントロール可能。
ただ脳が無意識のうちに抑えている潜在能力を強制開放するので当然ながら身体にかかる負担は大きい。
そのため、和音を恒常的に使用する退魔師は例外なく短命である。
・憑依
宿主の身体と同化して意のままに操る。妖刀時任の特性であって退魔師の技法ではない。
憑依した場合、宿主は後述の時任流をベースにした剣術を使役できるようになる。
時任主体で身体を操作する(フルオート)ことも、宿主に感覚を残し相互操作する(セミオート)ことも可能。
時任主体での操作(フルオート)は、宿主側からの身体操作は不可。
宿主と相互操作する場合は、所謂共感覚状態となるため、お互いの意思疎通がしっかりとれていれば、反応速度(リアクションレート)を向上させることができる。逆に宿主との意思疎通ができないとお互い足を引っ張り合うことになり、能力は低下する。
なお、和音とは異なり身体的能力の向上はない(時任自身の経験則に基づいた立ち回りと、前述した意思疎通による反応速度分の能力向上は見込める)
よって現状、和音を使わずに憑依のみを行う場合は二刀流は使役できない(カッシーの身体能力では筋力が足りないため)
カッシーの今後の特訓や鍛錬次第では使役可能になるかも。
・時任流
時任が使役する剣術の流派。
集団戦、特に多対一を想定した実戦剣術が特長。
基本は一刀流で、妖刀時任が操る二刀流は四十二代目『時任啓治』の我流である。
伝位『奥伝』以上で奥義皆伝。二つの型から派生する技がそれぞれ七つ、計十四の奥義が存在する。