映画評論集『スクリーンという名の鏡』、第2話を公開いたしました。
今回はクリストファー・ノーラン監督の『プレステージ』を取り上げます。
前回の『メメント』では、記憶という檻の中での「認識」を論じましたが、本作で描かれるのは、自ら進んで闇に足を踏み入れる「虚構への執着」です。
二人の奇術師が追い求めたのは、単なる手品の成功だったのか。 あるいは、他者の視線を介した「自己の証明」だったのか。
観客が「騙されたがっている」という不都合な真実を、精神史的な視点から解剖しています。全編ネタバレを含みますが、結末を知っているからこそ見えてくる、人間の自己破壊的な美学について思考を巡らせました。
あわせて開催中の自主企画【全編ネタバレ・深層考察限定】にもご投稿頂ければと思います。
銀幕が映し出す「虚構」の正体を、共に覗き込んでいただければ幸いです。