【ナツガタリ'25】に参加させていただこうと思い、当初は『学園ミステリー』として構想を始めました。
ただし、自分なりに三つの制約を設けました。
・ご都合主義全開の、安易なクローズドサークルは作らない。
・関係者や警察が不自然なまでに介入しない、という描写はしない。
・心霊や魔術的な要素には頼らない。
……けれど、これが想像以上に厳しかったです。特に二つ目。
警察介入を無視できない以上、「犠牲者が一人ずつ順番に」というミステリー的な展開が成立しにくい。
かといって学園を舞台に「一挙に大量の犠牲者」というホラー的展開も限界がある。
結果として物語の自由度が大きく制限され、苦しみながら模索する日々でした。
そんな制約の中で生まれたのが、『サンクトゥス修道学園』という舞台と、未澪というキャラクターです。
けれど今となっては、その制約があったからこそ、人間の正義への傾倒、盲信を描く『サイコホラー』的物語を描けました。
結果的に、少し異質で個性的な作品になったのではないかと思います。
最後まで読んでくださった方、そして今まさに読んでくださっている方。
心からの感謝を申し上げます。
https://kakuyomu.jp/works/16818792436902446539