2019/11/23
きみがいないとー
なんにもー
できないわけじゃないとー
やかんでおゆをわかしたけどー
こうちゃのありかがわからないー
そこまで我が家はポンコツではないが、お袋のみが知る家庭内の領域というものは確かに存在しており、その一つが家計である。
当面食費などを立て替えるのに困ることはないが、光熱費やらなにやらを振り込む口座がどれなのか、クレジットカードはどこから引き落とされているのか、また我々が思いもよらない金の動きがどこにあるのかもわからない。
今日は日中に見舞いに行けたので、ようやく意識がはっきりしているお袋に会えた。
それでもやはり言葉は喋れず、その姿を見るのは存外辛い。
本人はなお辛いだろうが、目にはっきりと意思を感じることができるのが希望だ。
希望に過ぎないといえばそれまでだが、今は頼るほかない。
2019/11/24
妹と共に見舞いに行く。
うちは三人兄妹で誰一人として結婚すらしていない親不孝者の集まりで、申し訳なく思いつつもこればっかりは…いや、それは今はいいか。
上の男二人はお肌のケアとか微塵もわからないので、妹の女手は非常に助かる。化粧水やらクリームやら自分らには未知のツールを使いこなす妹に尊敬の眼差しを向ける。お袋も気持ちよさそう。
一方こちらはお袋がボランティアでやっていた痴呆予防の体操などのDVDを発掘してお袋に見せている。もちろん動けないが、脳に刺激を与える助けになれば。
2019/11/25
仕事は大体定時に終わるのだが、どんなに早く帰っても面会時間が30分も取れない。