【今こそSFを読もうというお話】
今の時期に読みたい本。
死霊狩り:ゾンビーハンター
平井和正著
人間に憑依し、その肉体も精神も強奪して死人奴隷に変える宇宙からの侵入者ゾンビー。これにとり憑かれた者は、たちまち人間の形をした怪物に変貌してしまう。
この中で、出てくるシーンにおいて、誰がゾンビであるかわからない状態で、数々のデマが流れて、例えば、「瞬きが少ない奴はゾンビ」などの流言飛語が溢れ出し殺し合いに発展するという。
このシーンを中学生の頃に読んで、ひどくショックを受けた。
結末自体は、ゾンビは人間を助けるために宇宙からやってきたけれど、人間の中の凶暴さがゾンビを凶暴にしてしまうという。
最後は中性子爆弾で全部生き物が死に絶えて終わる。
SFはすごいと最近本当に思う。
サイエンスだけでなく、人の行動原理まで描き出すから。
そして、ゾンビという表現は、映画でゾンビブームがやってくる以前の1969年デスハンターとして漫画で発表。
1972年にハヤカワ文庫で小説として発表。
1968年 ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生
ジョージ・A・ロメロがゾンビ三部作の一番目の映画を発表した後に描かれた作品です。
1978年 ロメロの『ゾンビ』が大ヒットを飛ばす以前のお話でした。