本当の作家ではないので、「あとがき」は偉そうだと思ったので、
「自分で自作の感想文」を書いてみました。
まず最後まで読んでいただいた読者の方々に、厚くお礼を申し上げます。
また思った以上に、力の籠った熱のあるコメントを頂き、
作者としては大変うれしく思いました。
(けっこうビビったのも事実ですが)
「私以外にも、耕介や千春にこんなに感情移入してくれる人がいる」
と言うのは、本当に嬉しかったです。
「当初の目的」から言うと、この小説は失敗になると思います。
ですが自分としては「最高に気に入っている失敗作」です。
元々はカクヨムコン5用に、第一章だけの物語でした。
ところがどうしても規定の10万字に満たないため、
「1.5章 高校・卒業旅行編」を入れました。
それと「女らしくなった千春の魅力」を描きたいと思って。
ただそこで話が終わってしまうのも、何か中途半端に感じられました。
そこで「第二章 大学生、東京再開編」を入れました。
ここで千春に対抗できるキャラとして「裕美」に登場して貰ったのですが、
「女性として完璧に近い千春」の設定のため、裕美には強烈な個性と、千春に対して攻撃的な「損な役回り」をお願いする事にしました。
物語中には出てこないのですが、裕美は実はかなり可哀そうな過去を背負っています。
(その詳細はラノベには不向きなので、本文中からは除きましたが、補足で記載しました)
彼女には元々「男性恐怖症(嫌悪症?)」があったんですが、それを癒したのが耕介になります。
プロットも10回以上は書き直しました。
(ちなみにボツにしたプロットは、30以上です)
ラブコメや恋愛物って、登場人物の何気ない発言で、けっこう先の展開を変えてしまうんです。
私が未熟なだけかもしれませんが。
この傾向は、もう一つ私の作品「あなたにこの弁当を食べさせるまで」でも頻繁にありました。
よって物語を書いている時も、私自身がドラマを見ていて、それを書き留めているような感じでした。
よって物語の世界にすごく感情移入してしまい、自分で書いていて涙が出てしまう事もしばしばありました。
(かなり恥ずかしいので、そういう展開は深夜で家族が見てない時に書きました)
失敗作、という点では、この作品は当初から計画性がなく、ダメだったのかもしれません。
カクヨムコン5では、私は別作品のSFとホラーで勝負する気でした。
ところが色々な作品を読んでいる内に、「強烈にラブコメが書きたい!」という欲求に駆られ、
急遽この話を書き始めました。
(よってスタートも遅くなってしまいました)
他の人の作品をいくつか見ていて
「自分にはこういう『キラキラした可愛い女の子』って書けないなぁ」
と思い、
「じゃあ逆張りで、『あんまり男子受けしない可愛くない女の子』をヒロインにしてみよう」
と考えました。
ただし『性格や言動が可愛くない以上、容姿は抜群に端麗である』というのは、最初の条件にしています。
ただ中学生くらいだと「キレイな子より可愛い子」に人気が集まるかと考え、あまりその描写は出来ていないかもしれません。
しかし『それほど可愛いくないヒロイン』にしたにも関わらず、千春は私の中ですごく魅力的に映って行きました。
もう「作品中の千春に惚れている」ってレベルです。
よって色んな展開を考えましたが
「千春は一途であって、耕介以外には触れて欲しくない」
と考え、この展開にしました。
実は「同窓会という『パンドラの箱』」の回で、千春に『ビッチ疑惑』が起こる事は、
読者離れが発生する可能性が高いと、ネット仲間からも指摘されていました。
ただ「耕介には玲奈という恋人がいて、千春に何もない」と考えるのは不自然と感じました。
また中学まで男っぽい振る舞いをしていた千春が、高校三年間で引き籠ってマンガとアニメ、ドラマだけで
「圧倒的多数の男性を惹きつける仕草や言動」を身に着ける事は不可能かと考え、
『男性に好かれる女子になるため、多くの男子とデートだけした』という設定にしました。
ちなみに高校時代の千春とデートした男子の数は30人。
千春は「1人とデートするのは最高2回まで」と決めています。
これは「3回デートすると、男がかなり本気になって、交際を申し込んで来る可能性が高いため」です。
高3の時は、既に「可愛い女子スキル」を身に着けた千春は、どの男子も相手にしていないので、
高1~2で年間15人ほど、デートだけした事になります。
これは実際に「けっこうモテる女の子」の話から算出しました。
よって「実際は、噂ほどひどくはない」のですが、千春に彼氏を盗られたと思っている女子、
千春が「自分に気がある」と勘違いした男子、そもそも相手にされなかった男、
そして遠山のデマと、これらが重なって「ビッチな千春」の噂が広まってしまった、という設定です。
結果的には登場人物の発言や、様々な設定に振り回され、全体で30万字に達する話になってしまいました。
この点でも中途半端で失敗だったかな、と思っています。
それでもこの話は、私にとっては最高の一作だと思っています。
もう当分、ラブコメは書けないかな、と思っているくらいです。
(だいぶ精神が削られたので)
WEB小説では、そんなに人気が出る物語ではなかったかもしれませんが、
私はこの話を書けて、本当に良かったです。
なおこの「オトコ女の千春」は大変気に入っていて、
第一章だけリニューアルして、他の公募に出すつもりです。
そのため2月一杯か3月中で公開中止にする可能性があります。
もし途中の方がいらしたら、早めに全部読んで頂くよう、お願い致します。
ここまでご拝読、ご応援ありがとうございました。
また別作品でお会いできる事を期待しております。