三国志を、英雄譚ではなく経営の現場として読み直す。人材採用、組織設計、資金調達、事業承継、権限委譲。中小企業診断士の視点を持ち込むと、有名な人物や出来事は少し違って見えてきます。
なぜ「愚帝」と呼ばれた劉禅は、蜀を四十年近く存続させることができたのか。司馬懿から始まる司馬家は、権力を握る過程でどのようなレピュテーションリスクを背負ったのか。曹操も劉備も孫権も、華々しい戦略の裏では、兵糧、輸送、徴兵、人材不足という地味で深刻な制約に悩まされていました。
何万人もの人間を動かせば、食料だけでなく、水、排泄物、感染症、負傷者の処置といった公衆衛生の問題も必ず発生します。大軍を率いる英雄たちは、現代でいえば巨大組織の経営者であり、同時に物流責任者、人事責任者、危機管理責任者でもありました。
「名将だった」「暗君だった」という後世の評価だけでは見えない、組織を維持する難しさ、資源配分の苦しさ、権力移行の危うさ。三国志の人物と事件を、経営と組織の現場として再解釈していくシリーズです。
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