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徳田花 vs 皆藤勝 - 解説 -

79話 & 80話と2話に渡って花と皆藤の戦闘を書いてみました。

今回の戦闘では僕の中でいくつかテーマがあって、
1. 戦闘を長引かせない
2. 非戦闘系超能力者vs戦闘系超能力者
3. 非戦闘系超能力者に完勝させる
が主なテーマでした。

 花は元々僕の中では第1章の上野菜々美の犠牲者にする予定でしたが何となく変更しました。結果的にこれは成功で後付理由も含めると「それまでで結構キャラが立ってしまって愛着が湧いていたこと」「瑞希を成長させるポジション」「非戦闘系キャラが強者にどう立ち向かうのか」「非戦闘系であるが故に噛ませにも使えるし、勝ったらスゲーってなり易くて便利」といった感じです。

 彼女の「シークレット・フェイス」は初対面に対して自分の容姿を誤認させる超能力です。役立つ状況として潜入ミッションが一番に挙げられると思います。プロローグと1話では主人公を輝かせる為に看破される訳ですが......(花ごめんね)
 この超能力、欠陥が多くて特に「声質を変えられない」、「相手が自分を知っていると発動出来ない」が代表的ですね。この辺りは15歳の瑞希のサイクスの半分くらいしか有していない辺りからも彼女の限界が伺い知れます。(80話では藤村にも指摘されています)

 そこで僕が注目したのが一度この超能力にかかった者に対して重複発動は出来るのかという点。作中でも言及しましたが「シークレット・フェイスにかかった状態で見る花」は現実には存在しません。第三者から見ると徳田花が皆藤と戦闘しているように見えていますが、皆藤は実物とは違う姿をした花と闘っています。この時点で花に対する認識に間違いが生じている事が分かると思います。
 と言うことは「皆藤は花を正しく認識出来ていない/知らない」つまり「初対面と同じ状態が持続している」。よって更なる「シークレット・フェイス」が使えるというトリックです。

 これまで作中で何度も言われているように「サイクスは感情と密接に関係する」

 花はそこを上手く突いて皆藤に「果たして自分は誰と、何人と闘っているんだ?」という疑念を抱かせて精神に揺さぶりをかけます。それによって生じたサイクスの歪みを花は逃さず突いたという形です。

 元々の肉体の強さに身体刺激型のサイクスで更に強化された肉体を誇る、正しくパワー型の皆藤に対して花は常に精神的優位な状態で戦闘し続け、装備はナイフとハンドガンのみ、全超能力者が使用できる基本的な技術・ポルターガイストで勝利を収めます。

 作中で結構可哀想な目に遭っているような気がする花ですが、それを乗り越えるだけの実力が彼女にはあり、そこが魅力的なキャラクターになっています。僕自身結構好きなキャラです。

 こうした潜在能力だけでは勝負は決まらない、如何に自分の超能力を正しく理解しているのか、そしてそれを元にどういった戦略を練って勝利を手繰り寄せるのか、といったバトルが僕の最も描きたい部分なので今後注目して頂けたらなと思います。

 さぁ次からは主人公サイド。優秀な子達が揃っていますがまだまだ15歳の女の子(和人は男の子だけど)。彼女らの未熟な部分なども見せつつ終盤に向けて頑張ろうかなと思います。

 長々とすみません、暇だったもので。今後ともよろしくお願いします。

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