お疲れさまです。
気圧不調で寝込み、ようやく元気になったらこんな時間……。ねーむーれーなーいー。
そんな訳で、KAC没ネタかつリクエストを頂いたお姫様の筋肉ネタSS投下します。どうぞご笑納ください!
※ 時系列は四章閑話~五章の間くらい。
その日は早朝からうだるような暑さだった。
数ヵ月に一度、定期的に行われる組織の烏合(精鋭外メンバー)及び組織外の賞金稼ぎたちとの合同訓練後、誰もが滝のような汗をかいていた。
特に精鋭の面々の半数は季節に拘わらずモッズコートを着用している。ノーマンが解散の言葉を口にした途端、待ってましたとスタンとアードラはモッズコートを脱ぎ捨てた。
「あーつーいーー、やってらんない。うわ、シャツまでびたびた……、脱ご」
「おい、人前だぞ」
黒タートルネックシャツの裾で汗を拭きながら、スタンはアードラを睨む。
「ほとんど野郎ばっかだし別に良くない??」
当然アードラが言うことなどきく筈もなく。濡れそぼった黒Vネックシャツを脱ぎ、半裸を晒しながら汗を絞り出す。
「お前……」
「いや、単純に気持ち悪いし汗臭いじゃん。スタンもやせ我慢しないで脱げば??それとも身体に自信ないとか??」
ふん、とせせら笑うアードラだがえらそうに挑発するだけあって、腹筋はしっかり六つに割れている。細身の優男に見えて意外に筋肉質だ。
「はあ??」
あほか、と一笑に付すかと思いきや、売られたケンカは買ってやるとばかりに、スタンが黒タートルをおもむろに脱ぎ始める。
スタンもスタンで低身長ながら腹筋はバキバキに割れているし、何なら胸筋や背筋の発達具合や肩幅の広さはアードラより勝っていた。
「へえ、スタンって脱いだら意外と凄いんだ」
「……やめろ、お前に褒められると寒気がする」
「まぁ、あそこのおにーさま方には負けるけど」
アードラが視線で指し示した先には、二人と同じく半裸で汗を拭くカシャとイェルクの姿が。
「……その呼び方やめろ」
心底不快げなカシャが岩山のごとく筋骨隆々なのは言わずもがな。まぁまぁ!と苦笑いするイェルクもカシャほどでなくとも、元兵卒なだけに惚れ惚れするような逞しい身体つきである。
「ていうか、揃いも揃って脱がれるとさすがに暑苦しいしむさ苦し……」
「ちょっ……!あんたたち!何て格好してんのよ!?サイテー!!」
うるさいのに見つかった。
口に出さずとも男子たち(約一名オジ)の心が一つに。
揃って振り返ると「こっち見んな!」とブチキレるラシャと、ラシャの後ろで真っ赤な顔を伏せるミアがいた。
「これだから男はキライなのよ!デリカシーがないんだから!さっさっとシャワー浴びてきな!バカッ!!」
放っておいたらブラックジャックを持ち出しかねないラシャのブチキレ具合がめんど……、危機感を煽ってくるので、しかたなく(?)男子全員シャワー室へ向かったのだった。