短編、長編、甘い、苦いなど色々な百合を書きます。
百合好きです。私に星とかハートとかポチポチされた方へ…お返しのポチッは不要です。お気になさらず!
百合とか書くアカウントです。Pixivのほか、コミティアとか文フリにも出没します。何かに挑戦する女の子が好き。
「拝啓 わたしから君へ」 昔々、あるところに、世界のすべてに嫌気がさしたひとりの少女がいました。 目に映る景色も、耳に届く音も、心に触れるものすべてが色褪せて見え、どこか遠くへ逃げ出したくてたまらなかったのです。 ある日のこと、彼女は山奥を走る小さな汽車に飛び乗り、ささやかな旅に出ました。 列車はガタンゴトンとただ音を立てながら闇を抜け、まるで世界から切り離されたように静かに進んでいきます。 窓の外に広がるのは、ただ黒い風景だけ。何ひとつ見えないその景色に彼女は飽き、次第にまぶたが重くなっていきました。 そして、深い眠りへと、漂うように落ちていきます。夢すら見ない、ただただ静かな眠りでした。 どれほど時間が経ったのでしょう。 ふと目を覚ますと、列車は「飛騨一ノ宮」という山奥の駅で停まっていました。 少女はホームに降り立ち、夜の冷たい空気に白い息を吐きます。 見上げた空には、分厚い雲と夜の境界に隠れるように、ほんの少しだけ星が顔を覗かせていました。 無人の駅、ひとりきりの夜。 しかし、なぜだか不思議な安らぎが心に降りてきます。 「ここにいてもいいんだよ」と、遠い空の向こうから、誰かが囁いているような気がしたのです。 だけど、後ろを振り返っても、前を見ても、人影はありませんでした。 駅舎の薄暗い明かりが微かに灯り、有線イヤホンから流れる音楽が彼女の心をそっと包みます。 首元のタータンチェックのマフラーをぎゅっと握りしめ、彼女は誰もいない夜の中、静かに次の列車を待つのでした。 何かを伝えるでもなく、何かを求めるでもなく。怖くないわけではないけど、誰かに怯えるわけでもなく。 ただ、そこにいるだけで救われる夜もあるのだと、少女は知ったのです。 藍色の夜空から雪の結晶がひらりひらりと落ちてくる中、汽車はゆっくりとホームに入ってきます。 身体を蝕むような寒さを振り切って車内に入ろうとしたそのとき、彼女はもう一度だけ、後ろを振り向きました。 やっぱり、どこにも人の姿はありません。 不思議に思いながらも、少女は心の中で、ただ「ありがとう」と呟きました。 ✿ それから少女は、言葉を探すために旅をするようになりました。 理由なんてありません。ただ、知らない風景が彼女を優しく呼んでいたからです。 草原をわたる風、古い町の石畳に触れる足音、どこかの街角で聞こえた小さな子どもの歌声。傘をささなくてもいいくらいにささやかな川辺の雨音。 それらすべてが彼女の胸に染み込み、静かな言葉のつぼみを育てたのでした。 そしてよく晴れた日、少女は小さな港町にたどり着きました。 波はやさしく砂浜を撫で、船が軋む音が微かに聞こえます。 潮風に吹かれながら、少女は古びたベンチに腰掛けました。 午後の陽光が煌めく海は、透き通った水縹色。 空を見上げると、綿飴を纏ったような白雲の隙間からこぼれ落ちる光が、海の上に淡い一筋の道を描いていました。 その道が、どこまでも遠い誰かのもとへと続いているように見えたのです。 少女はそっと手帳を広げ、ペンを握りました。 風が頬を撫でるたびに、言葉が静かに生まれていきます。 「拝啓 わたしから君へ」 ――君へ。 遠い空の向こう側にいる君へ。 わたしは今、旅をしている。 何かを探すわけでもなく、ただこの世界の優しさに触れるために。 風の匂いも、光の揺らぎも、心の中に灯りとなり、言葉を残していく。 だからわたしは、君に伝えたい。 ここで生きているよと。 だから君もどうか、生きていてと―― 拙い詩を書き終わったそのとき、風がページをふわりとめくりました。 少女は小さく微笑みます。 「ありがとう」 遠い誰かの名前も姿も知らないけれど、言葉はきっと届く。 その確かな思いが、彼女の中で温かな灯りとなるのでしょう。 まだ見ぬ景色が待っていると感じながら、少女は息を大きく吸って、立ち上がります。 そしてまた、次の言葉を記すため、まだ見ぬ風の中を歩き始めるのでした。
主に百合作品を書いています
おそらく多分百合ばかり書いている物質かと思われます。痛いくらいの純情を模索中。小説は低頻度不定期更新。
途中でやめたり、書き始めたり。 自分のペースでのんびり。
たまに作品をあげます。更新頻度は少ないのは―ご愛嬌
第7回カクヨムコン特別賞受賞→「週に一度クラスメイトを買う話」7巻2025年夏発売予定(ファンタジア文庫)、コミック2巻2025年秋発売予定。「このライトノベルがすごい! 2024」文庫部門9位、新作部門7位。「このラノ2025」文庫部門14位。「次にくるライトノベル大賞2023」文庫部門8位、10代読者投票8位、20代読者投票2位。「つぎラノ2024」文庫部門4位、10代読者投票2位、20代読者投票6位、女性読者投票4位。特設サイトでPV公開中。コミカライズはヤンチャンWebにて連載中(担当は右腹先生です)。
色々と書いてきたけど結局のところ百合が好き。
百合が好きで、カクヨムオンリーで百合小説を執筆してます。 沢山の応援ありがとうございます!😊 とても嬉しいです✨ TwitterなどSNSは一切やっておりません。
普段じゃ書く機会の無いジャンルの小説を書いていく予定です。 読書以外の趣味は、ゴルフの試合観戦、ロボットアニメ鑑賞、古書蒐集、美術館巡り、博物館巡り。 好きな作家は渡辺一夫と幸田露伴と永井荷風。 墓まで持っていくと決めている本は、モーム「月と六ペンス」、ワーズワース詩集、渡辺一夫「狂気について」、リラダン「未来のイヴ」。 趣味が合いそうな方は、話しかけてくれると喜びます。 Twitterはそのうち作ろうかな
やや書き専。いろんなジャンルに挑戦中。 創作界隈に生息する自己愛性人格障害者(女)に長年ストーキング、創作活動妨害、人間関係破壊工作、作品と人格への中傷を広範囲に拡散をされながら執筆しています。 【悪口で仲を裂き、間にもぐりこんで居場所を作る】 【不和の種を撒いて他者同士を競わせる】 【ああしろこうしろと指示命令される】 こんな歪んだ関係に誘われた時には、パーソナリティー障碍について調べてみて下さい。 自己愛は「ここだけの話」を耳打ちして人と人をいがみ合わせる悪口が得意です。 ☆評価やレビューの基準はあいまいです。長篇の場合は完結前でも評価を入れます。
はじめまして。 桃本ももと申します。 好きな作家は東野圭吾、吉田篤弘、伊坂幸太郎です。 三度の飯よりうさぎが好きです。 よろしくお願いします。
女女を書きます。 近況ノートはたまに更新します。
歳の差百合と綺麗な大人のお姉さんが大好きで物語を紡ぎ始めました。 『私の恋人は今日も教壇にいます ~こいしらシーズン2~』連載中。 先生と生徒がいちゃいちゃする百合が大好物で書いているお話の9割はその属性という、ジャンルの偏りが激しすぎる書き手です。 5分以内でサクッと私の世界を味見してみたい方は、 『貴女に捧ぐ夜恋歌(セレナーデ)』をお読みください。 ※拙著は小説家になろう、ノベルアッププラスにも投稿しております。 今更ながら個人ホームページ始めました。 星と月の図書館 http://stmnserenade.web.fc2.com ブログもあります。 星と月の日記帳 http://stmnserenade.blog.fc2.com
よろず物書き。やさしいけれど生々しい話を書く人。男の娘や百合がよく出ます。やや当事者。いまAllyさん。SFオタ(古参)。本棚はハヤカワばかりで青いぜ。好きな作家はCJチェリイ。人の泥を愛でたい。ツイートはネタ帳。旦那と猫1匹と暮らし中。 Pixiv: https://www.pixiv.net/users/78534896 実績: カクヨム金のたまご掲載 『名探偵悪役令嬢』 https://kakuyomu.jp/features/16817330648664547999 「第2回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」最終選考 『寝ているうちにそこへ着いてたってこと、あるでしょ?』 https://sfwj.fanbox.cc/posts/4090629 カクヨム文芸部公式自主企画カフカセレクト「沼らせ男/沼らせ女」 恋愛ショートストーリー特集 選出 『時速285kmの告白』 https://kakuyomu.jp/features/16817330658488186725 カクヨム公式自主企画「百合小説」 みかみてれん賞 選出 『銀河逃避行百合!』 https://kakuyomu.jp/features/16817330668949856527 よろしくお願いします。٩( ᐛ )و
百合をメインに書いています。 主にカクヨム、ノクターンノベルズに小説を掲載しており、大手電子書籍ストアにて、いくつか小説を個人出版しています。 Youtubeで作品のテーマソングも公開しています。 https://www.youtube.com/@konoha_musica 作品は、個人出版等に伴って、削除することもあります。あらかじめご了承ください。 個人サイト Yuri Musica https://yuri-musica.site/
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