片道二時間くらいかけて推しのライブに行ってきた。
私の推しグループは歴が長く、ファンも全体的に落ち着いていて、全体的に大人な雰囲気だ。
とは言え若い子も結構居たり、お子さん連れや家族連れも割と居たりする。ファン層は大人多めで幅広いという感じ。
ちなみに私はここ数年でハマったひよっこである。
そんで、ファン層が大人ゆえ譲り合いの精神が根付いているというか、全体的に優しい。いや例外は居るだろうけど。
今日あたり目の前でグッズのトレカが売り切れて、後から来た友達と合流して、びええ!としていたら、お隣に居た見知らぬ人が、
「あっ私被りあるので差し上げます」
と私の推しのトレカを恵んでくださった。
えっ女神なんかな?????
「あああありがとうございますあのあの推しはどなたですか何か交換できるものがあればばば」
「○○です」
「誰か!なんか無いか!?」
「無い……!」
「良いんですよ、用意数少なかったですよね。再販あるといいですね」
えっマリアなんかな……?????
あわあわしている間にスマートに立ち去ってしまわれた……せめて実費で買取とかにさせてもらえば良かった(´;ω;`)
んで。
お返しはできなかったが、私には別のカードがあった。
CDのオマケのトレカ(非売品)である。その方の推しでは無く、私の推しでも無かった。友達の推しでも無い。
私はキョロキョロして、「黄色い人」を探す。そのメンバーカラーが黄色なのだ。服を見れば誰推しか分かる世界である。
居た。
「あのすいません、良かったらこれどうぞ」
「えっいいんですか!?」
「あるべき所にあるべきと思いまして、良ろしければ」
「助かります!」
わかる。推しが居ると助かる。
私も女神に習いスマートに去った。
なんとなくそんな感じの事が良くある、優しい世界なのである。
んで。
今回のライブツアー、メンバーが客席に降りてきて通路側の人にハイタッチしてくれるという恐ろしいイベントが組み込まれている。
私は見事に通路側。
その隣には愚弟。
ちなみに友達は奇跡的に席が近くて、通路を挟んで斜め後ろ。
私は弟に言った。
「私が○○色の人って言ったら内側の人こっちに呼んであげて」
「オケオケ」
これも結構皆やっていて、メンバーが来た時に通路側の人が内側の人……特にメンバーカラーで推しがはっきりわかる人を呼んでくれたりする。
全員が全員そうしてくれるという訳では無いし、そういうルールがある訳でもないが、自然にそういう事が起きる。
なんというか、民度が高いのだ。
私は席に着いて、同じ列の人を確認する。メンバーカラーを背負ってる人は居ない。じゃあ呼ばなくても平気かな?
私と弟の隣は、来れなかったのか席が二つ空いていた。その奥は結構年配の女性で、誰推しかは分からない。その更に奥は良く見えなかった。
ライブが始まり、会場は大いに沸いた。
んで、メンバーが降りてきた。私の推しがハイタッチをしながら歩いて来る。
なんか、なんだろう、実在してるんですね?
筋肉質で身体は大きい。セントバーナードに似ている。ビジュが強い。笑顔が可愛くて、素敵だ。
推しの手は思ったよりふわりとしていて、柔らかくて大きかった。
うわぁぁあああ!
うわぁぁあああ!
うわぁぁあああ!
テンパっていたらもう一人別のメンバーが来た。セカンド推しだ。私を殺す気か。
きゃあきゃあしていたのだが、気が付けば横に小学生くらいの男の子が居た。そして年配の女性。
爽やかにハイタッチして、去っていくセカンド推し。
男の子と女性は愚弟にお礼を言いつつ席に戻って行った。男の子のお母さんらしき人も笑顔でペコペコしている。
どうやらおばあちゃん、お母さん、お子さんで来ていたらしい。愚弟が呼んでくれたのだ。
ちょっとライブが落ち着いたタイミングで、愚弟に言った。
「お前いい事したじゃん!男前が三枚くらい上がったわ」
「マジ!?借金減る!?」
「減らねえよ」
(※お姉ちゃん銀行)
んで。
ライブ後に友達と少し話した。愚弟はトイレに行っていた。
「弟さんハイタッチお子さんに譲ってあげててかっこよかったー!その横でヨリが全然気がつかずにはしゃいでてくそ笑った」
……愚弟の男前は三枚上がったが、私の株は下がった。
しかし推しはセントバーナードで彫刻みたいで世界一ダンスが美しかった。
結論ライブ楽しかったー!また行きたいなー!
追記・
どうでもいいけど私と愚弟は基本同じ顔をしている。
面白かったのが、私が愚弟を見つける前に友達が愚弟を見つけていたこと。
(面識は無かったが、あまりに似すぎて「あれ絶対弟だろ」ってなってた)(そうです弟です)