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カクヨム発の短編文芸作品で拾い上げゴールを決めたお二人についての考察

春海水亭先生と八潮久道先生がカクヨムからの拾い上げで短編集を出されるそうだ。
KACのアンバサダーも務めてますな。
というわけで、どんな経緯で拾い上げが発生するのか少しお二人を考察してみたいと思う。


まず、春海水亭先生については、カクヨムを始めたばかりの頃に読んで、その桁違いの才能に衝撃を受けたので、拾い上げと聞いて「ようやくか」という気持ちの方が強いです。
しかも、春海水亭先生のファン、めっちゃ狂信的というか「ちゃんと金使う人」多いんすよね。

Skeb(スケブ)というパトロン的なクリエイター支援サイトで「買ってくれた人の好きなお題で短編書くよ」ってのを1万円くらいで売ってるんですよ、あの人。
そして、結構売れてる。並みの商業作家より普通にすごい。
で、書いた作品は別に買ってくれた人のものではないので(Skebは活動支援が目的なので)、それをカクヨムで公開したりしてるんです。
カクヨムのサポーターも多いし、春海水亭先生の場合、マジでファンが金落とすので、書籍もイイ線売れるんじゃないかと予想してます(私も買う予定です)

あと、元々動画配信などされてたようで、そもそものファンが多いのかもしれないですね。


次に、八潮久道先生。失礼ながらお名前を存じ上げなかったのだけど、出版に際して漢字のPNつけられたとのことなのと、カクヨムの作者ページ見たら「あ、見たことある、この作品」ってなりました。

元々お持ちのブログの方で詳細な拾い上げの経緯をご説明されてるので、デビューしたい文芸作品書いてる人は一読した方がいいかもしれない。
https://yashio.hatenablog.com/entry/skks

こちらの方、元々「はてなダイアリー」の熟練ブロガーさんなのようで、カクヨムは、KADOKAWAと株式会社はてなが共同開発した小説投稿サイト……おそらく運営内部に前々から「面白い文才を持ってる人」として認識されていたんじゃないだろうか。
ブログのPVも多いそうなので、長年培った固定ファンも多いと予想。


そして、お二人の決定的な共通点は「バズり」だと思う。
お二方とも、SNSで作品がバズっている。
作品のPVが短編にして、桁違いだ。1話しかないのに10万PV以上を叩き出している。
すごすぎて怖いよ……。畏怖だよ……。
当時の私の記憶でどれぐらいバズってたかというと、「トレンド」に出るくらいなんすよね。もはや恐怖だよね。

「ほねがらみ」の芦花公園先生や「近畿~」の背筋先生、この方たちもSNSでのバズりで書籍化が決まった作家さんだけど、お二人とも小説がバカ売れしている。
こういった先達の活躍もあって「バズり」については、KADOKAWA内の指標評価は確定演出並みに高そう。


これらに加えて、いままでの拾い上げ書籍化作家さん達の背景も含めて推測するに、一般文芸寄りの作品で、書籍化副賞つきのコンテストに受賞する以外でデビューしようとすると、
「編集者にめちゃくちゃ気に入られる」は、もちろんとして編集部の会議を通過するのに、実績を示す必要があるんだと思う。

実績については
・SNSでバズる(かなり強固な有利要素。確定演出に近い)
・小説以外の界隈でそもそも有名人
・有名な賞で最終候補で何度も残っている実績がある
・過去に別名義で商業経験があるor二次創作分野で有名人
・金を払う可能性の高い熱心なファンを多数持っている(サポーターが多い、コメント付きレビューが多い等)

と、会社員の立場で考えれば、当たり前のことで「PowerPoint映え」する「数字」を示さないといけないんだろうね。世知辛いね。

ってか、こう考えると、そもそも書籍化前からそれなりに「有名人」である必要がありそうなんスよね。あはは。

鶏が先か、卵が先か。


こんな具合に、朝からお二方の記事(【春海水亭×八潮久道】KACスペシャルアンバサダー対談〜名短編の秘訣を探る〜)を読んで、

「書籍化副賞つきのコンテストに受賞する方が……まだ可能性あるのでは……?」

と、白目むきましたよね。
どちらの道に進もうが「書籍化」の道が険しすぎて、オボロロロロって吐きそうになります。

ただ、どう考えても「バズる」って狙ってできるもんじゃないと思うんで(いや「あたちのお父さん博●堂の重役だち」みたいな方は組織的にバズれるとは思いますが)、やっぱり私の取れる選択肢は、「地道に堅実に公募頑張る」しかなさそうです……。

ではでは、このへんで。

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